INTERVIEW「何事にも準備が9割」タレントドクター・大竹真一郎がメディア進出に成功した理由とは

「何事にも準備が9割」タレントドクター・大竹真一郎がメディア進出に成功した理由とは
2018.05.21

SHOWROOMで目覚ましい活躍を見せた演者たちのインタビュー連載。
今回は、「駆け込みドクター!運命を変える健康診断」(※現在は終了)や「名医THE太鼓判!」〈ともにTBS系列〉などのバラエティ番組にレギュラー出演し、本人執筆による著書を多数出版するなど、多岐に渡って活躍する医師・大竹真一郎さん。

この日の撮影は夜の渋谷ロケを敢行。

撮影中、車が通るたびに車種を言い続けていたので、思わず「車が好きなんですか?」と聞いたところ、「いえ、全然」とまさかの肩すかしな回答。
本職は医師でありながらSHOWROOMの配信でも話のネタが底なしの大竹さんだが、普段から面白トーク全開だ。

しかし意外にも医者になるまでは「順風満帆ではなかった」と語る。

インタビューでは若い動画配信者が多い中で勝ち抜いていく秘訣や、チャンスを掴みとるコツなど金言の嵐が炸裂。
医師としてメディアに出た理由、そしてSHOWROOMを通して叶えたいこととは?

その野望を聞いてみた。

メディア進出の理由は、「本当の医療情報を伝えたい」から

本日はよろしくお願いします!

よろしくお願いします。

インタビューにあたって、昨日改めて大竹さんのSHOWROOM配信を拝聴させていただきましたが、下ネタ多いですよね(笑)

僕のコアなリスナーは40〜50代のおっちゃんが多いんですよ。なるべくその人達が喜ぶネタを…と思っていると下ネタは増えますよね(笑)。もちろん、時間帯はちゃんと考えますよ!さすがに日中にそんな話はしませんが、(昨日の配信は)深夜だったもんで。

なるほど。深夜の配信では、下ネタが増えるんですね(笑)。もちろん、本業である医療系のお話もされるんですよね。

医療系の質問をされたら、たとえその前にえらいバカみたいな下ネタ話をしてても、そこは真面目に答えますよ!

ネタの幅がとても広いですよね。大竹さんが配信でこだわっていることはなんですか?

先ほどもちらっと話しましたが、自分のことを好きゆうてくれる人が喜ぶ話はしようと思ってるんです。全人類に好かれるのは無理やと思うんで、自分のリスナーさんが楽しいと思ってくれるネタを常に考えてますね。同年代の方々が「あーそれ懐かしい!」と思ってくれるような。若い子達には「そんなん流行ってたんやな〜」と面白がってもらえればいいかなと。

「こんな番組出ますよ〜」っていうテレビ出演の宣伝もしますよ。ほんまはいけないのかもしれないですけど、台本の表紙とか、ちらりと見せたり、僕しか知らない裏情報を話したり。そういうのってみんな好きでしょ。

そもそもSHOWROOMもそうですが、メディアに出ようと思ったきっかけはなんだったんですか?

第一に、「正しい医療情報を届けたい」ということがベースにあります。医療番組や本、雑誌で「これをすれば健康になる!」と特集されて、今ではまったく聞かない…というものもたくさんありますよね。今の時代、あらゆる情報が飛び交ってしまっていて、みんなわけわからなくなってるでしょ?患者さんにもよく聞かれるんですわ、「先生、この健康法って流行ってますけどどうなんですか〜?」って。それに対して医者として、「それはダメですよ」って一言で終わらせてしまうのも無責任やと思うんです。

やっぱりその人によって、いいものも悪いものも違うわけです。例えば「こういう人にはこの食べ物が合うし、こういう人にはこの健康法がいい」という言い方をしないと。

それを患者さん一人ひとりに話すことも大事だけれど、テレビとかの影響ってやっぱり大きいでしょ。番組的には「これさえ食べていたら健康になりますよ」と断言した方がそりゃ、ウケはいいですよ。でもそれでは自分が出る意味がない。テレビでも、「これを食べれば全人類が健康になれる」という言い方は一切していません。

まあ、単に昔からおしゃべり好きだからメディアに出たい、というのもありますね。

自分にできるかわからなくても、目の前のチャンスは絶対に逃がさない

トークが抜群に上手ですよね。でも、そのトーク力やキャラを知ってもらう機会をどう作って、どういうきっかけでたくさんメディアに出られるようになったんですか? そこが知りたいです。

初めて本を出版した時に、友人が「大竹さんおしゃべり得意だから、ネット配信している知り合い紹介したるわ!」と言ってくれて、その動画配信でその新書を紹介したんです。そのアーカイブがYouTube上に残っていて、それをたまたま観たテレビのプロデューサーさんから特番の出演オファーが来たんです。ちなみにまだYouTubeもそこまで主流じゃない頃です。あの時もっと動画配信して人気になっていたらもっとお金持ちでしたわ(笑)。

(笑)。

「医者が芸能人の健康診断をする」という番組だったんですが、オファーが来た時にすぐ「やります!」って答えました。できるかできないかもわからなくても、すぐに返事をすること。これがチャンスを掴むコツです。

それから制作会社で打ち合わせをしたんですけど、「記録のために」と、カメラを回されたんです。でも後にも先にも打ち合わせでカメラを回されたことはないので、おそらく「コイツちゃんとカメラの前でもしゃべれるんかな?」というオーディションみたいなもんだったんでしょうね。そんなことは全くわからなかったですけど、打ち合わせの時もとにかく全力でしたから。チャンスの女神は前髪”というけれど、チャンスって目の前に来ても逃してしまう人って多いんです。その時その時、全部全力でいくべき。

そんでいざ本番を迎えて、素人だったから怖さもわからず、あまり緊張せずにできたんですね。そしたらたまたまですけどその週のテレビ視聴率ランキングで、僕と出川哲郎さんが掛け合いをしているシーンが1位になったんです。それがレギュラーになった番組、「駆け込みドクター」です。

何事も「準備が9割」。すべてに全力を尽すことが大切

テレビ初出演の放送で、チャンスを見事つかんだわけですね。

ホームランやヒットを狙うのはもちろんですけど最悪打てなくても、スイングで「コイツ打ちそうやな」という姿勢は見せないと。テレビだけじゃなく、どんなことでも成功するには、“準備が9割”やと思っています。とことん準備するから、本番中どんな質問がきても対応できる。特に医者が話す内容は、論文などで立証されている正確な情報や内容でないとならないですし。生放送なんて特に、発言してしまったら取り返しがつきませんから。SHOWROOMの配信でも同じ。最初の半年くらいは台本を必ず用意していたんです。

(取材企画書にもメモがビッシリ!!)

 

お忙しいのに、全部に全力投球ですよね。大変じゃないですか?

好きなことしかしてないので、苦ではないですね。今でも配信前に、箇条書き程度には話すネタを準備しています。僕のようなおっちゃんは、観てるだけで癒されるようなキレイな女の子とは違いますから。言葉に詰まったり、変に間があいてしまっていてはリスナーさん増えないです。

いつか「大将のお任せで!」と言われる存在になりたい

とても入念に準備をされて取り組んでいるということがわかりました。その上で、キャラ作りやセルフブランディングってどう工夫されているんですか?

テレビの場合は、セルフブランディングというよりオファーされたものに対して、変に味付けしないように気をつけています。例えば蕎麦屋で「ざるそばが食べたい」と客が言ってるのに、店主に「いやいや、今日は天ぷらがうまいから天ぷらそばを食べなはれ」って言われても困りますよね? それと同じで、ざるそばを注文されたらちゃんとざるそばを出す。その代わり他の店よりおいしいざるそばを出せるように努力します。

もし「大将のお任せで!」と言われたら、お店自慢の一品を出しますよ。要は、自分はここで何を求められているのかを見極める力が大切なんだと思います。店自慢がカツ丼だとしたら、僕はSHOWROOMではカツ丼を出しています。自分が作りたいものを作り続けている感じ。これを続けることで、いつかテレビなどでも「大将自慢のカツ丼をください」と言われるようになりたいですね。

奥深いお話ですね。SHOWROOMが自分プレゼンの場でもあるわけですね。

はい。でもそもそもSHOWROOMの配信は本当に楽しいからやっています。大人のリスナーが多いのも魅力ですね。自分自身、他の方の配信もよく聴いています。仕事など、何か別の作業をしながらでも聴けるのがいい。僕はラジオが大好きなんですが、ラジオはハガキやメールでの投稿が採用されてそれに答えていく、という形式ですよね。

SHOWROOMの場合はコメントに対してすぐリアクションがあるという、いわゆる“ラジオの進化版”だと思っています。そういう点で自分にもバシッとハマったのかなと。

リスナーとして、他の配信者を観ていて思うことはありますか?

やっぱり、SHOWROOMが好きという気持ちは大事なんじゃないでしょうか。そういうのって、通じてしまいますよね。家財道具すべて持って嫁に逃げられ…苦境を乗り越えて実現した本の出版

なるほど、ありがとうございます。では少しさかのぼって、医者を目指すまでと、メディアに出るまでの経緯やプロセスも教えてほしいです。

まずは、医者になるまでの道のりでいろいろありまして。そこはそんな順風満帆にはいってないんですわ、実は。学生時代はかなりやんちゃしておりまして、高校は中退なんです。親父も医者なんですけど研究職ですし、開業医ではないので継ぐこともできない。「さてどうしよう」となって。どうせなら手に職をつけたかったので、大工かパティシエか医者か、どれかになりたいなって思ったんです。

パティシエ!?

こう見えてケーキ作るのが好きなんです。まず最初に大工の棟梁に会いに行ってみたんですが、その棟梁から「せっかくお父さんが医者ならば、医学部を受けてみて、ダメだったらウチに来たら?」と言われたんです。それで勉強してなんとか大検受かって。でも大学入ってからまた遊びすぎてしまって。結局9年も大学に在籍してたんですわ。

遅いながらも医者になれたあとは、学生時代遊んでしまった分勉強をものすごく頑張ったわけですが、まあ、また遊びも頑張ってしまって。医者になって10年目ぐらいの時に、当時の嫁はんに家財道具すべて持って逃げられてしまったんです。

家財道具すべて…。なんということでしょう。

今となっては、若い頃悪いこともたくさんしてきたからこそ、「患者が肝臓悪いのに酒がやめられない」とか、もちろんダメなことだというのは前提ですが、自分も我慢できない人間やから、気持ちは理解できることもあるし、過去の経験はよかったと思えることもあるんですけど。その当時はお金もないし、疲れて帰っても家には誰もいない…という事実に、さすがに「このままじゃやばい、何か行動しないと」、と思ったんです。

具体的にどんな行動に移したんですか?

当時はいわゆる“朝活”が流行っていたんで出勤前にビジネス系の講演やセミナーに行ったりしてたんですね。そういうところに行くと、ビジネス書の著者もいたりするんです。それまでは本を書く人って自分とは世界が違う特別な人って思ってたんですけど、会ってみたら意外と普通のおっちゃんやおばちゃんだったんですわ(笑)。それで本に対するメンタルブロックが外れて、「こんなおっちゃんでも本書けるんなら、俺でもいけるんちゃうか?」って思って。

メンタルブロックというのは、「無理だ」という“思い込みの壁”ですよね。

そうです。そういう意味では、親父が医者だったんで、世継ぎがなくとも「医者になるのは無理」というメンタルブロックがなかったのはラッキーなことかもしれません。それでどうしたかというと、その著者の方に「どんなことを心がけているか」ということを聞いたり、あとはそういう出版関連を教えてくれるセミナーもあったりしたのでそれに参加したり。

そうするとどんどん編集者さんと知り合いになったので、企画書を書いて見せたりしていました。まあでもそんなに最初からうまくいきませんでしたね。ボロカスに言われたこともありました。そんな中でも気に入ってくれた人がいて、一冊目を出せたんですけどあまり売れませんでしたね(笑)。

他の誰でもない、自分だからできる“レアカード”的な存在になるのが目標

色々なご苦労もあったんですね。今までの夢の実現は、努力あってこそなんだと思います。現在50歳を越えて、まだまだ様々なことに挑戦されている大竹さんですが、今後の展望は具体的にありますか?

僕は、“レアカード”になりたいんですよ。

レアカード?

人間はたくさんいる。魚もたくさんいる。でも人魚っていないでしょ。かけ合わせによってレアになっていくわけです。医者はたくさんいるけど、医者でお笑いのネタをやる人は少ない。今度映画にちょい役で出ることになったんですけど、とにかくいろんなことをやることで、結果として僕にしかできないことをやりたい。100人に1人、1000人に1人…と、他にはいない、レアな存在になりたいんです。

まわりにはよく「一体何がしたいねん」って言われるんですね。でも、僕はあえて何かひとつのことに絞ったり、こだわらないようにしてるんです。例えばコカコーラができた時って、「コーラを作る」という夢があったわけじゃない。リーバイスのジーンズも、「余った布で何か作れないだろうか」、ということで始まったそうで。人生わからんもんです。

チャレンジしていく中で、道筋ができていく、ということですね。

そうです。だからあえて夢は持たない。SHOWROOMでは、イベントに参加すれば、医者でもお笑いのネタができるチャンスがあるんです。僕が今から吉本興業の養成所入って、オーディション受けて…とやっていたらどんだけ遠回りやねん、ってことになる。その代わり、医者のネタしかやらないです。それが僕しかできないことなんです。

“SHOWROOM発の配信者”として有名になって、おっちゃん配信の先駆者になりたい

SHOWROOMを通して、チャンスを掴むきっかけがくる“可能性”を高めているわけですね。

まさに。せっかくSHOWROOMというプラットフォームがあるわけですから、それはやるべきです。先ほども話しましたが、SHOWROOMは年齢層が高いので、おっちゃんでも挑戦できるのが魅力です。僕としては、僕世代のおっちゃんらももっと配信してほしいし、自分はその先駆者として活躍できたらと思っています。

では、そんな大竹さんにとって「SHOWROOMとは?」を一言で教えてください。

僕の未来を変えてくれる、“かもしれない”ものですね。あとは、純粋に今の一番の楽しみです。

“かもしれない”というのは?

おっちゃんらがなんとかなるプラットフォームとしての可能性を感じているという、「期待を込めて」という意味です。

今後の未来を変えていく可能性を秘めている、ということですね! ありがとうございます。では最後にファンの皆さん、そして夢を追う人や応援するみなさんへ、メッセージをお願いします!

僕みたいな中年のおっちゃんでもこんなに頑張ってます! そして、それを応援してもらうことでもっとSHOWROOM自体が大きくなるようにしていきたいので、どうぞこれからも応援してください。

〈編集から〉

「トークが面白い」だけではない、先を見据えたビジネススキルの高さも感じた大竹さんのインタビュー。
職業や年齢問わず、「自分の武器を最大限に活かせば夢は実現できる」ということを体現してくれている。

医師としての診療の他、テレビ出演や執筆などのメディア活動など多忙を極めているにも関わらず、SHOWROOMでの配信を怠ることがない。
その熱量と努力が目標を達成していく原動力になっているのだろう。

「“医師である僕にしかできないこと”をやっていきたい」と語った大竹さん。 

「医師×○○」のかけ合わせがさらに増えていくのが今後楽しみだ。

 

大竹さんがもっとわかる!一問一答

Q.マイブームは?

SHOWROOMです。
これはほんまに! 執筆中とかはリスナーもしてますし、一番の楽しみです。

 

Q.10代の自分に助言するとしたら?

なんとでもなるよ!

 

Q.座右の銘は?

楽しいから笑うのではない、笑うから楽しいのだ。
感情のコントロールって難しいですけど、行動は変えられますよね。辛いことがあっても先に笑っちゃえば楽しくなります。

 

Q.無人島に一つだけ何か持って行けるとしたら何を持って行く?

 生き抜くためのナイフ。

 

Q.ストレス解消法は?

楽しく笑う。
先ほども話したように笑ってるうちに楽しくなってくるもの。ストレスはあって当然。ストレスをどうこうしようと思わず、ある前提でできることを考えます。

 

Q.好きな食べ物は?

ラーメン。
本当は健康的にはあまりよくないとわかっていても好きなので、夜中は食べない、1日2食は食べない、という決まりを作っています。

 

Q.休みの日は何してる?

休みはないです!
ずっと仕事しています。仕事が楽しいので。

 

Q.芸能人で仲いい人は誰?

強いて言うなら、オードリーの若林さんとか。
番組で共演していたので。お仕事としてもお笑いの方としても尊敬しています。相当人見知りの方ですけどどうにかこうにか心の扉をこじあけました。春日さんはまだ扉を開いてくれません。

 

〈撮影=河野マルオ/取材・文=広瀬蒼乃〉

 

 

大竹真一郎

大竹真一郎

Shinichiro Otake
1968年生まれ。消化器専門の医師。現在はおおたけ消化器内科クリニック院長。タレントドクターとして、「名医THE太鼓判!」(TBS系列)など、様々なバラエティ番組で活躍。「本当は怖い!健康診断&人間ドック」(主婦の友社)など多数の著書を出版。SHOWROOMでは、健康情報やテレビの裏話などを話し、「話の引き出しを無数に持つトークスキル最強の先生」として人気に。

おおたけ消化器内科
http://www.ohtake-clinic.net
SHOWROOM
https://www.showroom-live.com/ootake
Twitter
https://twitter.com/athrun777
広瀬蒼乃

広瀬蒼乃

出版社でファッション誌や旅系の雑誌編集を経て、フリーランスに。可愛い子探しと、不摂生な生活を送りながらも健康ネタ集めと実践することが好き。昨年より念願の鎌倉暮らしを実現。

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