
モデル・高山都さんと料理家・寺井幸也さんとの特別対談インタビューをお届け。プライベートでも大の仲良しという二人に、ファンから愛される秘訣や、SNSの活用術を語ってもらった。
今はSHOWROOMをはじめ、あらゆるSNSで自分発信ができる時代。
どれだけまわりを巻き込むか、応援してもらえるか……という「共感力」が大切だ。
今回インタビューしたのは、プライベートでも仲良しという、モデルの高山都さんと料理家の寺井幸也さん。
「モデル」「料理家」という分野の中でも、ただ“フォロワーの数が多い”というだけではない。信頼し、行動に移してくれる根強いファンが多く、発信力だけでなく「影響力」が備わっている……という印象。
二人のように、ファンから愛されて応援されるには何をすればいいのか、SNS発信で共感されるにはどうすればいいのか?その極意について語ってもらった。
(写真左)【高山都(たかやまみやこ)】
10代でモデルデビューし、数々の雑誌やテレビで活躍。料理上手としても知られ、インスタでも度々投稿している。趣味はランニングで、フルマラソンでは3時間41分という記録を達成。今年9月には2冊目となる自身の著書、『高山都の美 食 姿 2「日々のコツコツ」続いてます』(双葉社)を出版。飾らない自然体のライフスタイルが注目を浴びている。
高山都さんのInstagramはコチラ
(写真右)【寺井幸也(てらいゆきや)】
也飯株式会社代表取締役社長。独自のセンスで演出される見た目も美しい料理で、多くの女性モデルや女優、ファッション関係者から圧倒的支持を得ている。ケータリングの他、レシピ提供やフードスタイリングなど幅広く活躍中。2017年には「幸也飯 彩り映える・おもてなしの作りおき」(辰巳出版)を発売。
寺井幸也さんのInstagramはコチラ
努力を惜しまず進んでいれば、結果に関わらず変化が生まれるはず
それぞれ別ジャンルで活躍されていますが、お二人はプライベートでも仲良しですよね。お互い、Instagram上での登場率も高めです。
高山都(以下高山):今日の夜も一緒だよね。渋谷でお寿司会!
寺井幸也(以下寺井):ね! 楽しみ。
今回は、“個”の発信力が高い二人に、「応援してもらう力」をテーマにお話を伺ってみたいなと。そもそも、お二人が応援したいと思える人って、どんな人だと思いますか?
寺井:やっぱり、シンプルに頑張ってる人だよね。
高山:そうだね。努力を惜しまなくって、ひたむきな人。
寺井:でもその努力も、「やってるんです!」という雰囲気をあからさまに出してるんじゃなくて、コツコツと地道にやってる人。みや(※高山)みたいな人かな。
高山:(笑)。ふふふ。
寺井:でも、努力が見えやすい人と、逆に見えにくい人っていると思う。努力していないわけじゃないんだろうけど、ある程度器用にできちゃう人ってちょっとその努力がわかりづらいのかも。不器用でなかなかうまくいかないけど、「転んでも立って」を繰り返して頑張ってる人は努力が見えやすいから、応援はしやすいっていうのはある。
高山:確かに。いずれにせよあんまり「わかってわかって!」が過ぎると、too muchというか努力が“漏れてる”くらいがちょうどいいんじゃないかな?
寺井:そうだね。にじみ出るくらいのね。ちゃんと努力をしていたら何かしらの変化ってあるはず。結果だけじゃなくて内面から出る自信だったり、内から出るものって変わってくると思う。それをまわりが感じとれれば、「あ、頑張ってるんだな」とか「もっと応援してあげたいな」という気持ちに変わると思うんだよね。
高山:幸也も一見すると華やかに見えるし、「めっちゃ頑張ってます」というオーラをあまり自ら出さないよね。でもここ数年近くで見てるけど、人としても料理のバリエーションや見せ方にしても、確実にステップアップしていて、それはまわりから見ててもやっぱりわかるし、「きっと努力してるんだろうな」ってわかる。それが溢れ出てる!
寺井:運だけじゃ前に進めないからね。運が舞い込んできたとしても、何もしてなかったらその運を掴めない。訪れたチャンスを掴めるかどうかは自分次第なんじゃないかな。
昔から、コツコツと地道に頑張れるタイプだったんですか?
寺井:いや、もともとコツコツ頑張るタイプではなかったし、好きなことしかやってきてない。嫌なことは一切やらないタイプ!
高山:私は逆に、コツコツ型かな。才能型ではないから、努力なしでは絶対勝てない。でも好きなことしかやらないのは同じ。前提として「好き」がないと仕事も人間関係も続かないから。
寺井:みやはオタク気質だよね。頼まれてもないのに売れてないインディーズバンドのライブに行きまくってたり……(笑)。
高山:そうだね(笑)。ちょっと気持ち悪いと思われるくらい熱を込める(笑)。
寺井:「ちょっとこっちの路線の仕事をやりたいからこれをやろう」っていういやらしさがない(笑)。好きになったものにとことんハマって、それが仕事につながっている感じ。
例えば、そこまで好きでもないのに資格を取るとか?
寺井:そうそう。損得だけで……ていうのは薄っぺらいかな。みやは本当に料理が好きだし、インスタでもたくさん投稿してるじゃん? それはファンも知ってるし、その延長線上でならいやらしくないんだけど。それまでさほど料理をしてきてない人が、いきなり「野菜ソムリエ」の資格を取っても……とは思ってしまう。同じように勉強して取った資格でも、そこにいやらしさが生まれちゃうというか。
高山:ただのオプションになっちゃうよね。あざとく見えちゃう。
寺井:あざとさと、too muchな必死さは見えちゃダメだよね。
高山:そうそう。シンクロナイズドスイミングみたいに上半身は美しいのに、まわりには見えない水面下ではすごく必死……ていうのがいいよね。
寺井:そういう“うわずみ”ばかりを拾って何かするんじゃなくって、自分が好きなことを見つけるべき。
なるほど。要は、中身がともなっていないのに「努力してる」アピールはあまり良くないということですかね? でも、「好きなことが見つからない」という人もいますよね。どうすれば好きなことって見つかるんでしょうか。
寺井:それは自分より若い子達に相談されたりするんだけど、まずは「よく遊べ」と伝えています。お金がないからって家でダラダラしてたり、いつも同じ友達と集まったりしてても何も生まれない。遊んでいろんな人と知り合うことで世界は広がると思う。そんなにすごいことしなくても、一歩外に出てみたりいつもと違うことをするだけでもプラスになることは生まれる。
高山:本当にそうだね。ちょっとしたことでも行動する、知ろうとすることって大事。でも、それで大きな一歩を求めてもダメだと思う。小さな一歩でいい。料理も、いきなり最初から“幸也飯”みたいな彩りの美しい仕上がりができるはずがないし、それでいいんだと思う。私も最初はそうだった。例えば、買って来たお惣菜をお気に入りの器に移し替えるとかで十分!
でも、より美しい仕上がりを求めるならば、ファッションだったりお花だったり、別の分野のセンスを磨くとか……。そういう風に、日々あらゆる物事を知ろうとして受け皿を広くすることが大切なんじゃないかな。
寺井:小さなものが積み重なって大きくなるのに、それに気づいてない人は結構いるかも……。幸せに対する概念と一緒。大きな幸せを求めて日々の小さな幸せに気づけないとか。
高山:うんうん。何もせず「幸せになりた〜い」とか「結婚したい!」とかね(笑)。自分が魅力的だったら人は自ずと寄ってくる! 幸せも舞い込んるし、キャッチできる力もついてくる気がする。
寺井:そのためには自分を知ることも大事だよね。人生の前半はまず自分を知って、後半に誰かを大切にするのがいいんじゃないかな?
「このままじゃいけない」という年齢による焦り。そこからの成長は地道にやるしかない
お二人ともすごくポジティブで前向きな印象なんですけど、10代、20代ともっと若い頃はどうでしたか? 高山さんは自身の書籍でも「20代は悩んでいた」と語っていましたが。
高山:20代はずっともがいてましたね。迷走してた。実家の大阪に住んでいた時、「かわいい」とかまわりに言われてちやほやされて、スカウトもされてそのままなんとなく上京してしまって。いざ上京したら世界はもっと広くて、私より上なんてたくさんいて。大阪にいる時は小さな世界だったから「私イケてるんだ」と思ってたし(笑)。
それでも仕事はやめようと思わなかったんですか?
高山:なんとなく仕事はくるからこなしてる感じで……。どうやってこの場所で生きていけるのか、ずっと悶々としていました。他のモデルさんはロングヘアが多かったからショートカットにしてみたり。でも、それは成功だったんですよね。「ショートといえば高山さん」みたいな感じでビューティーモデルとしては定期的呼んでもらえるようになりました。
「30代になってから変わった」とも仰ってましたが、何か大きなきっかけはあったんですか?
高山:ん〜、やっぱり年齢は大きいですよね。自分が思い描いていた大人とは全然違くって……。「どうにかしなきゃ」と30歳手前に焦ったのはあります。あとは生放送を5年間担当させてもらった経験はすごく自分を変えてくれました。言葉の重みというか、「自分が発する言葉に影響を受ける人が何人くらいいるんだろう」と考えられるようになって。その時、ちゃんと「自分はこういう人間になりたい」というものを考えて、それに向けて頑張れるようになったかな。
今の高山さんのお仕事にもつながっているランニングや料理も、「30歳手前からコツコツと始めた」と書籍でも拝見しました。
高山:そうですね、コツコツと……。幸也はどうなの? 昔と変わったところは?
寺井:年齢はあるよね。20代前半までは好き勝手に生きてきて、何かに打ち込んだり、頑張ったというものはなかったんだけど。25歳になった時まわりを見たら、友達はみんな就職していて、給料も安定してきた頃で。それまで「どうにかなるっしょ」みたいな感じで人生なめてたんだけど(笑)、それじゃ何も変わらないことに気づき始めたのがこの頃。やっぱりやりたいことをやるには近道はない。さすがに自分もなんとかしなきゃならないなと思って地元の九州から上京してきたんです。それでフレンチレストラン「オギノ」に就職して。「ここで地道に修行しよう」と。
覚悟を決めたわけですね。
寺井:はい。それで先輩達を見ながら接客とかサービスとは何か、ということを真剣に考えて向き合いながら頑張っているうちに、徐々にお客さんにサーブの指名を受けるようになったんですよ。それがすごくうれしくって。ちゃんと努力すれば返ってくることがわかった。それまでまったく勉強とかもしてこなくて、例えば「勉強したら点数としてちゃんと返ってくる」ということを知らなかったから(笑)。それで「ここで数年ちゃんと働こう」と。まぁ、数年じゃなくて1年で辞めたんですけど(笑)。
高山:でもさ、幸也は特に吸収力があるよね。刺激をすべて糧にできるというか……。その修行時代もそうだけど、友達と遊んでる時もただ楽しいだけで流すんじゃなくて、ちゃんと吸収して、自分のものにしていってるよね。
寺井:それ、こないだスピリチュアル系の人にもまったく同じこと言われた(笑)。
高山:噓でしょ(笑)。
寺井:なんかその人には、「普通の人がお金払って習い事に行って練習して……ということを、目で見てパッと吸収できるタイプ」と言われた。「あなたは日々生きているだけで勉強している」と(笑)。だから休みの日は何も目に入れないほうがいいらしい。
それは天性ですね……。そこは真似できない。ところで、なぜ働いていたレストランは1年で辞めちゃったんですか?
寺井:レストランで働いている間に、個人で数件、料理の仕事をいただけるようになってきて。「ん……? これはイケるかも?」と思い始めて。そっちに本腰を入れられるように辞めました。
名刺を作ってパーティーに行きまくって、まだ独立したてなのに「独立して2〜3年くらいです」とか、してもないのに「料理教室もたまにやってます」とか、噓つきまくって(笑)。
高山:そのテクニック学びたい(笑)。でも私、噓つくと目が泳いじゃうから絶対無理だな。
寺井:ハッタリだよねもう。でも、おかげで「こういう仕事があるけどどう?」とか話をいただけたり。ただ、いただいた仕事に対しては、しっかり頑張る。「こないだ言っていたことは噓だったのか?」と思われないように。
高山:自己プロデュースがうまいよね。
寺井:それからありがたいことに撮影などのケータリングや雑誌の料理特集とか、仕事は徐々に増えていって、3年目の2017年は1年間で1万食も作った。
1万食! すごい。
寺井:でもそこでちょっと恐怖を感じて。それだけ見えてない人の体に、自分がいろんなものを入れている……と思ったら、怖いなと。ということを急に昨年の暮れに悟りました(笑)。
急に(笑)。
寺井:それで、それまではいただいた仕事をこなしていくことにいっぱいいっぱいだったけど、もっと1個のお弁当に対してどんな気持ちで作ったのか、ということを考えられるくらいの余裕が持てる仕事量に切り替えたんです。発信力がついてくると、自分が「○○がいい」と言ったら真似して買う方もいるだろうし、発言にもっと責任感が出てきた。週末は一つひとつの食材を知るために地方の農家さんのところへ見学に行くようにしたりもしています。
※地元九州の農家を巡る旅が記録された幸也さんのInstagramはコチラ!
少しずつ仕事への気持ちを変えていったら起業の仕事とか、厚みのある仕事が増えていきましたね。
SNSは自分を表現する“媒体”。リアリティは出しても、なんでもかんでも出していいわけじゃない
お二人とも、発信する側としての「責任感」が生まれていったんですね。肩書だけの話をしてしまいますと、モデル・料理家という職業の方は他にもたくさんいらっしゃいますよね。他の人との差別化というか、自分は何が強みなんだと思いますか?
高山:モデルって表現者としては華やかだけど、基本は受け身なんですよね。私の場合は企画からとか、裏方全部できるのが強みかな。本の内容もそうだし、構成や、プロモーションのイベントとか「写真をこうしたい」とか。自分からアイディアを出して動くようにしてる。
(東京・大阪の蔦屋書店にて書籍発売記念イベント「都の部屋」を開催。高山さんがセレクトした雑貨やコスメを並べ、イベントの制作にも携わる)
寺井:僕も、家庭料理を専門にする料理家さんで極めている人はたくさんいるから、そこだけで勝負するというよりかは、ケータリングもそうだし、店舗などの事業やプロデュースとか、幅広く活動していきたい。
高山:私たちはある意味、したたかだよね(笑)。誰もやってない小さな穴や隙間を見つけてそこに集中している感じ。私は星野源さんやリリー・フランキーさんのような人を目標にしていて。肩書はひとつじゃなくて、いろんなことにチャレンジして活躍している人。
寺井:僕たちは一番といえるものはないかもしれないね。だからいろんなことを頑張って全体を底上げしていきたいとは思ってる。あとさっき、みやが裏方までやってるって言ったけど、その様子をSNSでも見せてるじゃん? ファンは制作している過程が見られるから説得力があるし、共感できるよね。だから今の時代に合ってるんだと思う。根強いファンもつくし。
高山:綺麗なところだけ見せず、あえて過程を見せて、自分もそのスケルトン状態を楽しんでる感じかな。
寺井:だから例えPRのものだとしても、ちゃんと伝わるし、みやもちゃんと選んでやってるよね。
高山:選ぶし、必ず自分のフィルターを通して発信するようにしてるかも。自分のSNSはひとつのコンテンツだと思っていて。全部自分が責任編集じゃないけど。
寺井:高山P的な?
高山:(笑)。
寺井:でも本当にそうだね、ひとつの媒体。自分の中でターゲットも絞って発信してる。
ちなみに、どんな人がターゲットなんですか?
寺井:20代後半〜30代半ばで、独身の女性。結婚していても子どもがいない人。つまりある程度余裕がある方かな。それで新しいもの好き。もしそこにハマってなくても「そこにいきたい」と思ってる人が寄ってきてくれるし。
高山:どういう人に求められているのか、自分のことデータ化して、自分チャートを作ることが大事だよね。
おお〜。それって本当に、メディアを作るのとまさに同じ考え方ですよね。今SNSの話が出ましたけど、現代はメディアに出る人にとっても欠かせないツールですよね。気をつけてることはありますか?
高山:ネガティブワードは言わないようにしています。みんな、わざわざ時間を割いて見に来てくれているわけで……。言葉遣いもそうだし、見ている人が気持ちいいと思えることしか載せないようには気をつけています。
寺井:抑えきれない自己愛はストーリーに載せてるかも(笑)。ストーリーはほとんどが見たい人しか見てないし、だから「疲れた」とかネガティブなことも載せちゃう。
抑えきれない自己愛(笑)。
寺井:普通の投稿は、僕の場合は料理を見たいという人が8割くらいいると思っているから、やっぱり料理。レシピは載せないんだけど……それでお金をいただいている仕事だから。でもストーリーではヒントになるような動画を上げたり。ちゃんとそこまで見てくれている人は得するようにしたいなと思っていて。
使い分けをしっかりしてされているわけですね。
寺井:そうですね。あと、インスタには友達も載せるけど、誰を載せるかは決めてるかも。
そうなんですね!
寺井:(インスタを)見ている人が、「いつものメンバーだ」とわかってくれる方がいいのかなと。自分の仕事は毎日スケジュールも違うし、会う人も違うから知り合いも必然的にどんどん増えるし、楽しかったからっていろんな人やモノを載せすぎるとわけわからなくなりそう。
高山:登場人物が多すぎるのはよくないよね。“幸也の世界”がわかりやすいことで、見ている人たちが感情移入できるんだと思う。
寺井:自分が主役のドラマみたいなもんだよね(笑)。みんなキャスト。自分が主役で、インスタに載せているいつもの友達は重要人物。つまりメインキャラ(笑)。だからエキストラは載せない……という。
エキストラは載せない……。わかりやすいですね。
寺井:あと、例えばみやが載せないような写真や動画を僕がストーリーで載せたりするんですけど、あれはみやのファンにとってもうれしいと思うんですよね。いつもと違う顔が見られる。だからいつものメンバーを全員フォローしている人もいる。
高山:深いドラマだわ〜(笑)。
批判的なコメントが来た時はどうしていますか?
高山:完全に被害妄想だなと感じるようなものは、すぐブロックしますね。
寺井:出禁ですね。
高山:(笑)。でも、一度客観視することは大事かも。どこがダメだったのかとか、この言葉は嫌みだと捉えられるのかな?とか。それでも自分は間違ってないと思えたなら、くよくよする必要はないかなって。
寺井:そうだね。いずれにせよ相手にコメントを返すことはしないかな。そこを返してしまうと(批判した)彼らもキャストになっちゃうから(笑)。ライブ中に乱入してきてマイク奪って歌っちゃう人みたいな(笑)。そこは歌わせないぞと。自分の中で、指摘されたものを受け入れはするんだけど、それを逐一返していると、どんどんエスカレートしちゃうから。だから僕の場合は、ブロックもしないかも。
でもお二人のように根強いファンがいれば、そのファンたちがかばってくれたりしそうですよね。
寺井:そうなんですよ! 「みやのファンがかばってくれるから、みや自身が返さない方がいいよ」って普段も話したりしてるよね? (ドラマの)主役は傘さされてればいい。スター気取りで(笑)。
高山:ははは(笑)。
寺井:でも、それが一番の解決方法。粗探ししている人の相手をしていたら、その作業で疲れちゃうから。何かその人にダメなところがあったら友達同士でちゃんと指摘しあってるしね。
高山:メインキャストだからね(笑)。友達に言われたら納得できる。
お互いハッキリとダメなところはダメとか言ってる関係性ですか?
寺井:そうですね。みやにも、「なんでこの写真トップにしたんだ」とかすぐ言います(笑)。
高山:まわりにいる友達はみんなお互いリスペクトしあってるし損得なしの関係だよね。だからSNSはちゃんと考えて投稿はしているけど、そこに噓はない。誰かが光を浴びたらうれしいから協力するし、協力してもらうこともある。それで結果として得することはあるけど。
寺井:お金じゃないよね。人と人。
高山:そうそう。逆にリスクがありそうなものは絶対に誘わない。友達がもしリスクを抱えていたら、みんなで守ろうとするし。SNSとかで簡単に人がつながれる時代だからこそ、アナログを大事にしたい。人を動かす感情はアナログだから。ひたむきさとか、信頼とか。
寺井:ロボットじゃないからね。だから「おにぎらず」とかあかん!(笑)。子どもにはお母さんがおにぎりを握らないと! どんなに完璧に柔らかく握れる機械があっても、やっぱりお母さんが握ったおにぎりには愛情が込められている。
SNSを活用しているからこそ人と人とのつながりとか、アナログの良さに気づくことはあるかもしれないですね。では、『SHOWROOM Magazine』は“夢”をキーワードにしておりまして。改めて今後の夢を教えてください。
高山:肩書はいらないから、自分の名前、“高山都”としてなんでもできるようになりたい。それが大きな夢かな。
寺井:目標はたくさんあるんです。2019年はいろんな事業展開を考えているので。あと、『GQ MEN OF THE YEAR』(雑誌『GQ JAPAN』がその年に各分野で著しい活躍を見せた男性たちを称える賞)を受賞するのも夢! でも最終的な夢は、本当にひとり、大切な人を大切にして生きていくこと……かな。それまでは大勢の人を幸せにするために頑張るけど、最後は自分と相手のために生きていきたい。人生、ロマンが大事なんですよ!(笑)。
(笑)。では、最後に「夢を抱く」もしくは「夢を見つけたい」若者たちへアドバイスをお願いします!
寺井:先ほども少し話しましたが、「大人と遊べ!」ですかね。そして大人はもっと若い人たちを遊びに連れていってあげてほしい。「外にいたらこんな世界があるよ」というのを見せてあげて、夢が見つけられるように。
高山:若いうちは失敗したほうがいいと思います。挫折したほうがいい。私は挫折したことで成長できたと思ってるんです。だから、挫折の数だけチャンスがある!
寺井:曲のタイトルみたいだね(笑)。「挫折の数だけチャンスがある」。
高山:ははは(笑)。確かに。90年代のシングルのタイトルにありそう。
寺井:でも本当に、失敗することは成長につながるよね。「転べば痛い」ということを知ったほうがいい。守りすぎちゃダメ。
高山:そうそう。どんどん転んで失敗したほうがいい。行動していくことが大切だと思います!
挫折がチャンスになる……。いいですね。本日は貴重なお話を、ありがとうございました!
高山&寺井:ありがとうございました!
編集から
モデル・料理家とそれぞれ別のジャンルで活躍している二人。
二人が放つ華やかさやセンスの良さに憧憬の念を抱くし、すてきだなと思う。
でも、どこかこちらに寄り添ってくれるような「完璧でない」ところを、“少しずつ”見せてくれることにリアリティがあり、親近感を持たせてくれる。そこに魅力があるように感じる。
自らを客観視して、その“抜け”をどう表現すればいいのかをしっかりと見極めていることが
根強いファンをつける秘訣なのではないかと。それは、どんな仕事や社会でも同じことが言えるかもしれない。
〈撮影=内田裕介(MAETTICO)/取材・文=広瀬蒼乃〉
高山都・寺井幸也
(写真左)【高山都(たかやまみやこ)】
10代でモデルデビューし、数々の雑誌やテレビで活躍。料理上手としても知られ、インスタでも度々投稿している。趣味はランニングで、フルマラソンでは3時間41分という記録を達成。今年9月には2冊目となる自身の著書、『高山都の美食姿 2「日々のコツコツ」続いてます』(双葉社)を出版。飾らない自然体のライフスタイルが注目を浴びている。
(写真右)【寺井幸也(てらいゆきや)】
幸也飯株式会社代表取締役社長。独自のセンスで演出される見た目も美しい料理で、多くの女性モデルや女優、ファッション関係者から圧倒的支持を得ている。ケータリングの他、レシピ提供やフードスタイリングなど幅広く活躍中。2017年には「幸也飯 彩り映える・おもてなしの作りおき」(辰巳出版)を発売。
広瀬蒼乃
出版社でファッション誌や旅系の雑誌編集を経て、フリーランスに。可愛い子探しと、不摂生な生活を送りながらも健康ネタ集めと実践することが好き。昨年より念願の鎌倉暮らしを実現。
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