
SHOWROOMで目覚ましい活躍を見せた演者へのインタビュー。今回はお笑いコンビ・ブロードキャスト!!の吉村憲二さん。芸歴18年のベテラン芸人がなぜSHOWROOMで毎日配信を続けるのか? その理由を語ってもらった。
今年の春からSHOWROOM配信をスタートして以来、イベントでも上位にランクインし続けているブロードキャスト!!の吉村憲二さん。SHOWROOMで配信している吉本芸人の中でも芸歴が長い方だ。
配信の楽しさや面白さだけではなく、コメントの拾い方など、細やかで丁寧な対応が人気の秘密だ。
2000年にコンビを結成し、2018年で芸歴は18年。もうすぐ20年目を迎える吉村さんがSHOWROOMにかける想いとはなんなのか。
その理由や、今後SHOWROOMでチャレンジしたいことを語ってもらった。
自分には「巻き込み力」がある。その特技とSHOWROOMに必要なものが合致した
本日はよろしくお願いいたします。まずは、SHOWROOMの率直な感想から教えてください。
その前に、青汁飲んでもいいですか?
青汁を飲み出した吉村さん。青汁以外も保湿用オイルも取り出しせっせとハンドケア。
(笑)。そういえば吉村さんは「大の美容好き」だと伺っています。青汁を持ち歩いるのはさすがですね。女子度が高い……。
1日1本飲むと決めていて。何事も習慣にしちゃえばいいんですよ。そういう意味ではSHOWROOMも同じですよね。毎日配信もそうだし、例えば朝配信を習慣化するのもいい。朝起きてすぐ配信すると、最初は眠いんだけど配信しているうちに頭がシャキッとしてくるんですよ。だからSHOWROOMは寝起きにオススメ(笑)。
なるほど。身体に染み付いて辛いという感覚がなくなるということですね。朝ランみたいなものですかね……。とりあえず外出ちゃうみたいな。
そうそう。毎日配信するって大変そうに思えるかもしれないですけど、どんなに疲れていても配信し始めるとしゃべっているうちにテンションが上がってきて、元気になるんです。
では、そんな毎日配信している吉村さんにあらためてSHOWROOMについて詳しく聞いていきたいと思います。今年の4月から始めていただいてますが、やってみてどうでしたか?
こういうインタビューを受けさせてもらったり、イベント特典で「3年C組青春高校」のCMに出演させてもらったり、今までにはなかった経験をさせていただいて、“助けてもらってる”という感じはありますね。あと、吉本の偉い人にめちゃめちゃ声かけられます(笑)。事務所で歩いていたら、いきなり近づいてきて「SHOWROOM見てるよ!」みたいな。そもそも、自分にすごく向いていたんだと思います。
どんなところが向いていたんでしょうか。
自分はすごく尖ったセンスがあるわけではないけど、その場を盛り上げることや、お客さんを巻き込んでいく力はある方だと思っていて。そこですかね。舞台の前説とかも得意なんです。
たしかにSHOWROOMは巻き込み力が大事ですよね。
自分の中で特化したものをSHOWROOMが引き出してくれた気がします。でも、最初はSHOWROOMという存在そのものは知っていたものの、自分がやるとは想像していなくて。ある時、元芸人で今は構成作家をしている知り合いから、「吉村さんみたいなタイプは(SHOWROOMを)絶対やったほうがいい」とアドバイスしてくれたんです。名古屋で活動していた時期からの付き合いなので自分のことはよく知ってる人の言うことだったし、その一言で「やってみようかな」と。
若手ですでにSHOWROOMを配信している芸人はたくさんいたけど、同年代ではあまりいないし、今の自分がやって何かプラスになるかどうかもよくわからなかったんですけど、芸人として、何か新しいことに挑戦したいという想いがちょうどあった頃だったので。
何かしらの変化を求めていたということでしょうか。
そうですね。相方は歴史好きなのですが、それで本も出して、いい感じに売れてもいて。自分も「これだ」と思うものを探したかったんです。
やはり、目に見える変化として新規のファン獲得は大きいと思うのですが。それはどうでしたか?
いやホント、ありがたいことに新規ファンは増えました。SHOWROOMきっかけでファンになってくれて、実際にライブに足を運んでくれた方は結構います。
ライブ終わりに「私、○○です」とアバター名で言われると、「君が○○か〜〜!」と、テンション上がりますね。ずっとアバターで知っていた人と実際に会ってみて、大体の人が思っていた通りのキャラというか、雰囲気なんですよね。(SHOWROOM社長の)前田さんとかもよく話しているけど、「ネット上では噓がつけない」って言うじゃないですか。文字だけだからこそ、素が出るというか。だからアバターでもイラストとはいえ、やっぱり一個人とやりとりをしている感じはしますよね。
数々のガチイベで1位や2位と、かなり上位という結果を出されている吉村さんですが、配信スタイルへのこだわりや、アピールポイントは何か、教えてください。
とにかく、いろんな配信方法にチャレンジしています。話すテーマの内容もそうだし、「健康診断の結果を発表する配信」とか、僕はナイススティックというお菓子が好きなんですけど「みんなでナイススティックを一緒に食べよう配信」とか。そのうえで、自分なりに「SHOWROOMの極意」というものをつくって、携帯にメモしているんですよ。
うわ、すごい文字量! めちゃくちゃ研究されていますね。
自分で見つけたコツとか、盛り上がった話や自分の得意分野などを書いて、とにかくどんな配信がみんな楽しいと思ってくれるのか、考えるようにしています。
吉村さんは、コメントもすごく拾ってくれるイメージがあります。
極力コメントは全部拾いたいですね。でも拾うだけじゃなくて、そこからやっぱり広げることも大事かと。ただ「ありがとうございま〜す」って言ってるだけじゃつまんないですし、やっぱり盛り上げるようにはしないと。
では、これは配信者さんには毎回聞いているんですが、吉村さんにとってSHOWROOMはどんな存在ですか?
なんだろうな〜。「みんなにとっての居場所」ですね。居心地のいい場所。来てよかったって思ってほしいし、また来たいとも思ってほしい。ひとつのチームというか、コミュニティができたような感覚ですね。
トントン拍子にいっていた芸人人生。もっと上にいくためにチャレンジしたのがSHOWROOM
先ほど、芸人として新しいものに挑戦したかったと、お話していらっしゃいますが、芸人としての「今まで」と「これから」についても聞いていきたいと思います。まず、芸人になりたいって思ったきっかけは何だったんですか?
中学生ぐらいの時ぐらいから、漠然とした憧れはあったんです。とんねるずがすごく好きで、番組も見ていたし、オールナイトニッポンラジオもいつも聴いてました。人を笑わせるだけじゃなくて歌も歌って、ドラマにも出て……。こういうスターになりたいなって、ぼんやりと思っていて。特に学生時代って男の場合、「俺が一番面白いんだ!」って思いたいじゃないですか。だから人を笑わせるのは気持ちよかったし、「芸人っていいな」という気持ちはありました。それでそのままいけばよかったんですけど、高校生になってからカッコつけ始めちゃったんですよ。
それはいわゆる、思春期ってやつですかね?
そうですね。なんか人に見られることを急に意識し始めてしまって。でも中学生時代の面白い自分の方が好きでしたね。今思えば高校生時代が1番やり直したい! 「何カッコつけてんだ」って感じです。中学生の時は校則で丸坊主だったんですけど高校生になって髪の毛も伸ばしてみたり、当時流行っていたドラマ「未成年」のいしだ壱成さんの髪形を真似してみたり(笑)。
そしたらちょっとモテ始めまして、初めて彼女もできたりして。美容に関心を持ち始めたのもこの頃ですね。友達がゲームソフトを買ってゲームにいそしんでいる中、自分はフェイストレーニングのビデオテープを買って、家で見ながら顔筋鍛えていました(笑)。
意識高い(笑)。現代では男性でも美容を気にする時代ですけど、今から20年くらい前の話ですよね。まわりに珍しがられたのでは?
フェイストレーニングをしているとか、さすがに友達には言えなかったです(笑)。だから他にも隠れてやってるヤツはいたんじゃないですかね? でも生まれつき喘息持ちなので、もともと健康志向ではあるんですよ。その延長線上で美容のことも好きになったのもあります。
なるほど。そんな思春期を経て、いつからまた今のような明るい吉村さんに?
大学に入ってからですね。高校生でおとなしくしていた反動でまたうるさくなりました。それで吉本に入ったわけですけど、最初はお笑いだけじゃなくて、劇団やったりバンドやったり他のこともいろいろやってたんですよね。
「芸人としてやっていこう」と決めたのは何がきっかけだったんですか?
当時2年以上つきあっていた彼女にフラれたこと! 寝込むほど落ち込みました。とことん落ちたらある時ふっとスイッチが入った瞬間があって、そこから「お笑いを全力で頑張ろう」と、吉本1本にしぼりました。
そんなことがあったんですね。
まだその彼女と付き合っていた時、お笑い番組の「爆笑オンエアバトル」を観ながら、「俺の方が面白い」とか、彼女の前ですげー豪語してたんですよ。そしたら彼女に「どうせ口だけだ」とか「今の時点で負けてる」と言われ……。でも実際そうだったんですよね。
吉本1本にしぼって名古屋で芸人活動していた時は結構トントン拍子にいって、「爆笑オンエアバトル」にもすぐ出られたんですけど。だからそもそもは寄りを戻したいという気持ちもあって。結局、連絡はしなかったですけどね。
そこからはご自身の中で「芸人を辞めたい」と思ったことはありますか?
ないですね。小さな浮き沈みはありましたけど、わりと最初からうまくいったのがよかったんだと思います。だから辞めようと思ったことはないですね。
それから東京でもデビューしたわけですが、当時の目標や夢は何だったんですか?
「冠番組を持ちたい」という気持ちはありましたね。あと、オールナイトニッポンのパーソナリティもやってみたかったです。
この10年くらいでテレビやメディアの形がいろいろ変わってきて、芸人の方々の活躍の場も多様化していますよね。SHOWROOMもそのひとつだと思うのですが、吉村さんは今後、どういった活動を考えてますか?
冠番組やオールナイトニッポンのパーソナリティになる夢は、変わらず根本にはずっとあるんですよ。でも正直、現状ではそこまでいけてない。15年以上芸人やっていて、「あれ、実現していないぞ!」と。先ほども話したように、名古屋でデビューしてすぐテレビに出られたり、そこそこうまくいっていたはずなのに、最終的な目標には届いてない。諦めたわけではないけど、ちゃんと今後のことを考えていかないと思っています。そのきっかけとしてSHOWROOMで起死回生を図りたいんです。
まずはSHOWROOMで配信している吉本芸人の中で絶対に1番にはなりたい。そして、近い目標としてはSHOWROOMの番組を持つこと。SHOWROOMをやってると、何かしらハプニングや奇跡的なエピソードがあったりするじゃないですか。SHOWROOMerをたくさん招いて、そういう話をしてもらう番組のMCがやりたい。話を広げるのは得意なので。
いいですね! 面白い話をたくさん引き出せそうです。吉村さんはそういうエピソードはあるんですか?
ありました! ガチイベで感動的な出来事が。ちょっと話長くなるのでかいつまんで話しますけど……。あるサッカーチームの筋肉トレーナーさんがルームに遊びに来てくれて、「スペインのJr.チームとクロアチアに合宿に来ていて、いまチームのみんなと一緒に配信を見ています!」とコメントをもらったんです。「おお〜!」となって、その時も盛り上がったんですけど、あとでチームの1人もSHOWROOMのアプリをダウンロードして個人的に遊びにきてくれたんですよ。外国の方なので、ちょっとカタコトではあるんですけどなぜか日本語が上手で。そいつがめちゃくちゃコメントが面白くて、全部メモしてたくらいだったんですよ。
それは誰か別の方が文字を打っていたわけではなく?
最初はそう思ってたんですけど、かなり細かくやりとりしてるし、どうやら本人っぽくって。他のリスナーさんとも絡んでくれて、そのイベントはものすごく盛り上がってくれたんです。でも、イベント最終日にその方が「ジツハ、モウミレナクナルンデス」ってコメントしてきたので、「え!?なんで!?」ってなって……。理由を聞くと、合宿が終わって実家に帰らなきゃならないんだけど、ご両親がとても厳しい方らしくて、携帯も持たせてもらえないから「もう見れない」、と。それでそのあとファンルームに長文でメッセージもしてきてくれて……。
それは、すごく悲しいですね……。
すぐ読めなかったんですけど、配信中に勇気を振り絞ってみんなの前で読むことにして。号泣してしまいました。
すてきなお話ですね。でも海外の方とそうやってコミュニケーションとれるのも、SHOWROOMならではですね!
そうなんです。そういうドラマが、みんなにも絶対あると思うんですよね。だからそういう話を聞いてみたいなと。
ぜひ、実現していただきたいです。楽しみにしています! では、最後にSHOWROOMのリスナーたちにメッセージをお願いします!
ファンのみなさんには感謝しかありません。せんきゅっそ!! そしてルームに遊びに来たことがない方は、ぜひ一度遊びに来てください。もしかしたら後日、壷が届くかもしれませんが、それを買ってくれればあなたにはきっと幸せが訪れます……。なので、本当に一度でいいのでルームをのぞいてみてくださいね!
(笑)。今日はありがとうございました!
ありがとうございました!
吉村さんがもっとわかる!一問一答
Q.長所は?
裸が綺麗なところ♡
鍛えているわけじゃないんですけど、細マッチョなんです!
Q.では短所は?
目が回りやすい。
三半規管が弱いのかな?
Q.宝くじが1億円当たったら何に使う?
全身美容!
IKKOさんがやっているようなやつ全部やりたい。
Q.直らない癖は?
ほっぺたを引っ張る癖。
自分では気づいてないけどよく言われます。
Q.最後の晩餐に食べたいものは?
焼き肉。
脂身たっぷりのカルビが大好きです。
Q.最近うれしかったことは?
今年の夏のことですけど、大好きなももいろクローバーZのメンバーと一緒に写真を撮れたこと。
Q.座右の銘は?
「起死回生」。
編集から
取材中でも、ちょっとした話題も広げてくれるし、盛り上げ上手、聞き上手、当たり前だけど話し上手な吉村さん。
配信ルームに人がどんどん集まるのも納得だ。
ちなみに撮影時の裏話……。
真剣な顔で決めている吉村さんだが、この時の話題のほとんどは大好きなももクロについて。
とてもいい表情です。
〈写真=米玉利朋子(G.P.FLAG)/取材・文=広瀬蒼乃〉
吉村憲二
1978年5月12日生まれ。2000年に結成、2011年にはキングオブコント準決勝進出も果たしたお笑いコンビ・ブロードキャスト!!のボケ担当。モモノフ(ももいろクローバーZのファン)として知られる。美容にも関心があり、スーパーフードエキスパートの資格を持つ。SHOWROOM配信は2018年4月よりスタート。
広瀬蒼乃
出版社でファッション誌や旅系の雑誌編集を経て、フリーランスに。可愛い子探しと、不摂生な生活を送りながらも健康ネタ集めと実践することが好き。昨年より念願の鎌倉暮らしを実現。
現在、SHOWROOMでは新規イベントを募集しています!
舞台やドラマの出演者募集、ライブ出演アイドル募集、キャンペーンガール募集などをSHOWROOMで開催してみませんか?
また、SHOWROOMを盛り上げてくれる配信者を随時募集しています!