INTERVIEW「まだ歌っていていいんだ、と許されたような気持ち」VSinger 百瀬ヒバナさんがイベント挑戦で得たもの

「まだ歌っていていいんだ、と許されたような気持ち」VSinger 百瀬ヒバナさんがイベント挑戦で得たもの
2021.08.11

 

LiSAの『紅蓮華』など、多くのヒット曲を生み出してきた作曲家・草野華余子による「楽曲提供&MV制作権争奪戦」イベントが行われ、VSinger・百瀬ヒバナさんがグランプリに輝きました。

歌ってみた楽曲から、オリジナル曲のパワフルな歌声で多くのファンを魅了し、ギャップのあるトーク配信も魅力の百瀬ヒバナさん。このイベント参加への決意や、ファンへの想い。知られざる素顔にも迫りました!

※ヒバナさんは「わっち」と「なのじゃ」でお話してくださいましたが、今回は文字数の関係で読みやすい現代語に変換しております。

たくさん悩み、ファンの後押しもあって参加した初イベント


★SHOWROOM本社ロビーでピース(?)を決めるヒバナさん。

「作曲家 草野華余子による楽曲提供&MV制作権争奪戦!」にて、見事グランプリに輝かれましたがこのイベントに参加しようと思われた理由とイベント参加中はどのようなお気持ちで配信をされていましたか?

参加しようとした理由は3つあります。1つはずっと挑戦したかった。2つ目は草野華余子さんによる楽曲、世界観、そしてお人柄が大好きだということ。3つ目はファンのみんなと何か成し遂げるという経験をしたかったからです。

去年の第1回目イベント時は視聴者として拝見していました。その時は私がデビューしたばかりで、出ること叶わず…。1回目は本当にすごい熾烈な戦いで「もし私が出ても、絶対に戦えないだろう」と、行く末を見守っていました。第1回目では、私も大好きなVtuberのドーラさんが優勝されて、華余子さんとドーラさんという大好きなお二方で作品が出来上がると思うとわくわくして、その時は「いいなあ、すごいなあ!」と外から眺めているだけでした。

第2回目が開催されることを知り、「出るしかない!」と思ったものの、私は今まで何か成し遂げたい時に、裏側でひたすらコツコツと頑張るタイプで、表に見せることをあまりしませんでした。なので、イベントに出て大々的に「頑張るぞ!」という姿を見せてしまって大丈夫か、とても悩みました。

私自身では、最終的に決断を下すことができず、ファンの皆さんにご相談をしてご意見をお聞きしたんです。本当にいろんな意見をくれて、真面目に私の活動を考えてくださる方ばかりで、まずそこで胸を撃たれました。その中で、「一回挑戦してみよう」「まずは楽しもう!」と声をかけて下さり、皆さんが背中を押してくださったお陰で、「一位をとれなかったとしても、ファンの皆さんと頑張ったという結果を作ろう!」と参加を決断しました。

 

最初にファンの皆さんに相談するというのも、ヒバナさんのファンへの想いがあふれていますよね。

応援してくださる皆さんとのコミュニケーションで大事にしているのは、「強制をしない」ということです。やりたくないことは私もやりたくないので。。ファンの皆さんが自然に応援をしていただけることが最高だと思っています。「どうしたらTwitterからSHOWROOMへ足を運んでくれるだろう。」など、ファンの皆さんの気持ちを考えながら、イベント中は過ごしていました。

私は、普段Youtubeでの不定期配信がほとんどなので、密な時間を過ごすSHOWROOMならではの企画や、プチイベントを用意していました。

 

実際にイベント参加が決定してからのファンの皆さんの応援はいかがでしたか?

出ることを決まった時は、Twitterで告知をして、①SHOWROOMとはまずなにか ②イベントとはなにか ③私が何を成し遂げたいか をご理解いただけるように徹底しました。一度説明したことも、何度もご説明したり、英語での文を用意したり。

SHOWROOMイベントのギフト投げも当時はほとんどの方が初めてで、最初はどんどん好きなタイミングで応援してくれて。私は最終日まで我慢してくれと言っても、みんなふざけてどんどん投げ始めるんです。

私のルームだけ、独特な文化が生まれて、私自身はみんなに振り回されていましたが、そんなお茶目なファンの皆さんがすごく可愛いし、頼もしいし、本当に本当に素晴らしいファンの方々に恵まれたなと実感しました。


★なのじゃを交えながら、楽しくお話を聞かせてくれるヒバナさん。

素晴らしいファンの方との交流ですね! ヒバナさんからファンの方への愛も伝わります。見事最終審査に進んで、その時のお気持ちを聞かせてください。

もうすごく緊張しました! 

作曲者、クリエイターとしての華余子さんはもちろん、アーティストとしての華余子さんも大好きなので、憧れの方に会えることが本当に楽しみで、緊張で。私は何をするにも準備をすごくするタイプなので、パワーポイントで「百瀬ヒバナ」を知ってもらうための資料を作っていったんです。華余子さんには「そういう所よ!(笑)」って笑われたのですが。

私自身が音楽で伝えたいことが「なにかを失った人へ命を吹き込みたい」というメッセージなのですが、その思いと、華余子さんが制作される楽曲の「「生命力溢れる音楽」とのコラボレーションがしたい!という想いをひたすらご説明しました。自分の音楽への思いや活動への覚悟も全部伝えられましたし、生歌も聴いて頂けて…。なおかつ、なんとオーディション中に華余子さんから活動に関する激励を沢山いただいたんです。「これで獲得出来なかったとしてもいいや」と思えるほど、その励ましの言葉に元気や活力をいただいてしまいました。同時に、こんな機会は一生に一度でしょうから、「ここまで連れてきてくれて、みんな本当にありがとう」と応援してくださった皆さんへの感謝が溢れてきました。

 

そして無事に楽曲制作の権利を獲得したわけですよね!

信じられなかったです…。

本当に本当に嬉しくて、その日の夜はお祝いに焼肉へ行きました。私自身ずっと負けっぱなしという気持ちがどこかにありました。具体的に何に負けたっていうのはないのに。

正直なところ、多くのVtuber/Vsingerさんの中で、私は駆け出しの身ですし、Vtuberファンの方でも私を知らない人がいっぱいいらっしゃいます。その中で、私が歌う意味ってなんだろうとか、ずっと歌ってていいのかなという気持ちにもなる時が正直あります。でもこのイベントでグランプリをいただけたことで、「私はまだ歌っていていいんだ」という許可というか、ハンコをぽんと押してをいただけた様な気持ちになりました。

 

その後、プレッシャーを感じたりすることはありますか?

今回の曲は、私にとっては歌を歌って生きていくためのスタートの曲だと思っています。しかし、せっかく華余子さんから頂く曲をどういう風に広めていけばいいんだろう、というのはずっと考えています。先ほども言いましたが、私はまだまだ影響力が弱いので。

今支えてくださる皆さんから頂く応援は、本当に温かくて、私には十分すぎるくらいなのですが。影響力という観点はまた別で、多くの方に聞いていただけるという面ではまだまだで。華余子さんの楽曲を無駄にしたくない、誰かの耳にたどり着いてもらえるようにしなきゃ、というのは考えています。そこが不安といえば不安です。

 

多くの方に曲を広める為に、どんなことをしていくか、予定があれば教えてください。

3D化プロジェクトということで、クラウドファンディングを発表し、8月7日にスタートしました。

3D化なんて何年も先だろうと考えていたのですが、この楽曲を歌うためには、まず私の身体で歌を表現しないと始まらないと思いました。今も少し動くことができていますが、本当に魅せたい表現はできていません。

この先いただく楽曲を、ライブやイベントで色んな方に知っていただくため、どうしても3Dの身体が必要だと思い、気づいたら後先考えず、準備に奔走していました。クラウドファンディングも、SHOWROOMと同じく、ファンの皆様と共に夢を叶えられる仕組みだと思うので、このSHOWROOMイベントを成功出来たことから、クラウドファンディングで「皆さんにもう一度、力を貸していただくお願いをしたい」気持ちにもなれました。基本的にどんな時も、「歌を届けたい」という部分だけは絶対にブレません。その気持ちの中で様々なことに失敗を恐れず、果敢に挑戦をしていきたいです。

作詞を初めてから変わった、“歌”のとらえ方


★オリジナル曲発表や主催音楽イベント「わっちふぇす」など、活動は多岐に渡る。

配信の声や話し方と歌声のギャップがとても魅力的だと思うのですがYouTube、SHOWROOM配信や歌うときに意識されていることはありますか。

色々な方がギャップがあると言ってくださるのですが、自分の中では歌うことは演じることに近いと考えています。
私が考える歌は、3分の曲中に込められた世界観を表現することだと思うんです。

「歌ってみた」シリーズとして、事前にMIXされた音源もとても大事ですが、それ以上にその場で歌い、お客様へ届ける生歌をとても大事にしています。生で歌ったその時の感情や、自分の心身の状況で、曲の届き方が違うといいなと思い、歌っています。配信ではよく「歌枠」をやりますが、何回も歌っている曲もその時その時の違いを楽しんでいただけるようになりたいです。

 

曲に込められた想いや世界観を、とても意識して歌われているのですね。

そういう事を意識する様になったのは、自分が作詞する様になってからかもしれません。それまでは「上手く歌えれば良い」と思っていた部分もあったのですが、作詞を初めてからは「こういう意図があって、表現しているんだ」というのが分かってきて、想像力がとても豊かになった気がします。

そこから自分の歌に対する捉え方も180度変わりました。

 

ヒバナさんの楽曲も、考察しがいがあるというか、世界観がしっかりしていますものね。

何名かの方は考察してくださっていて、本当にありがたいです。曲中の言葉や思いが、ふとした瞬間共感できたり、理解していただけるような曲を今後も作っていきたいと考えています。

 

今後やってみたいことを教えてください!

たくさんの方に歌を届けられる活動をしたいですね。毎日細々と知ってもらうための活動はしているのですが、もっともっと少しでも魅力に感じてもらえる人が増えたらいいなと思います。勿論、それは私の努力次第なので、少しずつ少しずつ、声を響かせていきたいです。

具体的には、武道館や、幕張メッセでライブができるアーティストになりたいです!

自由自在に動かせる3Dの身体で、見に来てくださっているお客様の上を走ったり、3階席まで泳いで行ったり、歌いながら大きな大きなホール全体を使って皆さんとその時間を1000%楽しめる空間を作ることがで目標です。”VSinger”だからこそ出来ることだと思うので。

皆さんが住んでる此岸と、私の住む彼岸が1日だけくっつけられたら素敵だなと、夢見ています。

もう一つは、アニメの主題歌を担当すること! 華余子さんが制作されていた『ソード・アート・オンライン』の主題歌と、『Fate』シリーズの主題歌を歌ってきた皆さんに並ぶことが目標です。

百瀬ヒバナさんがもっと分かる!一問一答

Q.チャームポイントは?
長く結いた髪と、わっちのお目目。

Q.趣味は?
最近は泳ぐこと。わっちもともと泳げなかったんじゃが、最近やっと浮かべるようになった!

Q.好きな食べ物は?
レバーとあん肝とラーメンとお肉とナス。

Q.声のために気をつけていることは?
歌う前はハーブティを持参して飲む。

Q.朝起きて一番最初にすることは?
エゴサ!1時間に1度はしてしまう。わっちの生きがい、活動しがい。

Q.今一番やりたいことはなんですか?
ライブがしたい!
沢山動いて叫んで、会場で皆の声も聴きたい。
いつか海外でもライブで声を届けたいのじゃ。

Q.好きなアーティストは?
草野華余子さんはもちろん、ASCAさん、LiSAさん。
SACRA MUSIC所属のアーティストさんが大好きなので、いつかSACRA MUSICに所属できたらなあというのも夢の一つ。

Q.座右の銘は?
「死んでからが勝負。」
死ぬというのは、諦めるという意味。
諦めてからスタートだと思って、日々歌う。

編集から
イベント参加への決意から、ファンの皆さんへの想いまで、とても丁寧に話してくれたヒバナさん。
美しくカッコ良いのに、好きな食べ物のギャップが最高ですよね(笑)
真剣に話しながらキラキラ光る瞳がとても印象的でした!
夢に向かって突き進むヒバナさんの活動が、今からとても楽しみです!


【Information】
■百瀬ヒバナが作詞作曲家 草野華余子の楽曲提供によりオリジナル曲デビュー決定!

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000547.000026205.html

■現在、3D化を目的としたクラウドファンディングを実施中。
https://camp-fire.jp/projects/view/471665

 

〈取材・文=中村梢〉

百瀬ヒバナ

百瀬ヒバナ

彼岸(あの世)に住む空っぽの存在”虚”。
歌だけでなく、作詞作曲にも参加し、様々な形で此岸(この世)に歌や声を響かせるため活動中。
カバー曲も現在7曲、オリジナル曲を3作。
8月9日に自身3作目となる「果実」をリリース。

「紅蓮華」作曲 草野華余子さんオリジナル楽曲提供が決定。
ボカロP れるりり主催
『反芻シ考 歌ってみた サブスク配信プロジェクト』のメンバー選出。

YouTube
https://youtube.com/channel/UCGLrsPlc2DpavAxmj1QV1tw
SHOWROOM
https://www.showroom-live.com/hibana_moyuru
Twitter
https://twitter.com/hibana_moyuru?s=21
中村梢

中村梢

WEBメディアで取材、インタビュー、記事執筆をしています。
猫と映画とお酒が好きです。

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