INTERVIEWSHOWROOM 最優秀アンバサダーAnnaと前田裕二が語り明かした 『 “一点突破”できる武器を持っているか』

SHOWROOM 最優秀アンバサダーAnnaと前田裕二が語り明かした 『 “一点突破”できる武器を持っているか』
2021.12.20

 

2期連続SHOWROOM公式最優秀アンバサダー就任を記念して、特別番組が行われた。

Anna のいつもの個人配信に前田社長が遊びに来たというスタイルで、音楽の原点や今の時代に求められる流行歌、今後の展望などを本音で語り合った。

人の心を動かす多くの曲の裏には、同じコード進行がある。

前田:楽曲を作るときは、詞先(歌詞が先)ですか、それとも、曲先で作る派ですか?

Anna:曲先で作る派です。歌詞は普段から書き溜めてて。曲をまず作って、その曲に書き溜めてた詞を使うこともあるし。全く新しいメロディーが降ってきて、そこから曲を思いつくこともありますね。

前田:基本的に曲、メロディーを先に考えて、後から詞を付けることが多いと。

Anna:ひと言のワードが浮かんでくるんですよね。
例えば、ドランクって曲だったら、『歌は誰も傷つけない』って言葉が浮かんできて。
でも、メロディーはついてないから、『歌は誰も傷つけない』を皆で合唱したいのでどんな曲調にしようかと。

前田:そういう事か。最初にコンセプトが浮かんできて、その後にメロディーがついて詞が補強されていく。コードや曲からついつ作ってしまうから、言葉ありきっていうのも今の時代ぽくていいですね!

Anna:前田さんはコード進行で作るんですか?

前田:まさに!有名な曲のコードを勉強したりして昔よくメロディを自分でつけて遊んでいました。人の心を動かすコード進行のパターンはある程度決まっていると思うので。

声という唯一無二の武器を大切にして欲しい

Anna:お仕事でいろんなアーティストさんと関わっていると思うんですけど。幼少期に影響を受けた音楽の原点は、どのアーティストさんになりますか?

前田:お母さんがとにかく音楽好きで。お母さんが一番好きだったアーティストは美空ひばりさんということもあり、その影響で自分も弾き語りで最初に歌ったのは美空ひばりさんでした。僕が歌謡曲に詳しかったり、好きなのはそんな理由からです。

Anna:そうなんですね!

前田:あれは確か5歳のときリビングに行ったら、母親がテレビで美空ひばりさんの歌ってる姿を観て泣いてて。美空ひばりさんも歌いながら泣くスタイルで。僕以外みんな泣いてるし、「なんだこれは!」って衝撃を受けて、音楽ってなんなんだろう、と最初にインスピレーションを受けた瞬間だったと思います。

Anna:それは、衝撃を受けますよね。忘れられない

前田:確かにそこから音楽の魅力に取り憑かれているのかもしれません。Annaさんの原点は、どんな感じですか?

Anna:私も母親が、ピアノの先生という。

前田:ピアノの先生なんですね。サラブレッドだ。遺伝的に音楽の才能があるんですね。

Anna:いやいや、でも小さい頃から音楽に触れてて、という感じです。
そういうエピソードでしたら、私も母が玉置浩二さんのファンだったんです。

前田:日本で一番歌が上手いという人もいますよね。

Anna:ライブで母が感動してるのを見て凄いなって。音楽も素敵だったんですけどアーティストって歌が上手いだけじゃなくて、人を励ましたり、元気付けたり、感動させたりするんだな。「こういうお仕事いいな」という想いが芽生えましたね。

前田:玉置さんの場合は、圧倒的な歌唱力もさることながら、“声”の魅力がえげつないと思うんです。今まで数え切れないほどオーディションを見てきて、いろんな「歌のうまい人」がいる中で、その人が持ってる唯一無二性や輝きって、僕は “声”だと思う。なぜ売れるか、という分析がよくされるわけですが、僕は、上手い下手のテクニック以上に、声の要因が大きいと思います。

玉置さんの声は、天からの授かりものだと思う。歌声って全員が唯一無二なんだけど、玉置さんの声は、なんだか妙に味に心を突き動かされる。ふっと街で流れるだけで「あっ玉置浩二だ」と分かるし、そのまま聞いてると、自然と涙が出てきちゃう。そんなアーティストですよね。

ひとつAnnaさんに質問で、歌っていて心が込められる歌と、そうじゃない歌って、自分の中で大きな違いはありますか?

Anna:私はずっと気持ちを込めて歌ってきたし、いつも意識してるのは“伝えられるか、伝えられないか”だと思ってて。目の前で聴いてくれる人に伝えられるのか、伝えられないのか、それだけです。そうすると見てる人にも、その真剣度合いが伝わるみたいなんですよね。

前田:なるほど。リスナーの目の前で感謝の気持ちなどを伝わるように思いを込めて歌ってるわけですね。

音楽も上げの時代から下げの時代へ。


前田:Annaさんは、どんなときに曲が思い浮かぶのですか?

Anna:幸せなときより、苦しい、辛い、どん底のときに励ます曲が生まれるんですよ。自分を励ます為に書いた曲が成長してくれて、誰かを励ます曲になってくれたり。

前田:なるほど。最近思うのが、EDMなど上げ系が勃興していた時代から、コロナを経て、どちらかというと下げ系へのシフトが起こった気がするんです。下げ、といっても必ずしも後ろ向きという意味ではなくて、朝よりも夜、ライトよりダーク、という意味です。実際、夜」がつくアーティストってなぜだか人気を博していますよね。米津さんもそう、Adoちゃんも真夜中に出没してそう笑。

Anna:暗い感じですね。

前田:基本的にコンテンツの世界も、“行くぞ、勝つぞ!”というマインドよりも、“ちょっと周りへの優しさ”“辛さへの共感性”などが主人公のキャラクターとして重要になっていると思います。

誰かが怪我したときに、「何怪我してんだよ!この試合勝つんだろ!」みたいな上げの時代から、下げの時代は、「試合なんてもうどうでもいいよ、お前の体が心配だよ」って言う主人公の方が共感できる。

Anna:めっちゃ思いました。Adoさんもそれで『うっせぇわ』を書いたじゃないですか。
前の時代はチェッカーズの『ギザギザハートの子守歌』だった。それを今の時代に変えて書いてるじゃないですか。

前田:そうそうそう!めっちゃ楽しいこういう話!

Anna:そうやって時代に対応して、Adoさんもチェッカーズの曲に共感して励まされたと思うんです。今の時代で必要とされている主人公というのを理解してあの詩を書いたんじゃないかな。

前田:なるほどね。チェッカーズを好きな人向けの仮説というか、ポジティブ仮説なんですね。どうやら、Ado→チェッカーズにはふたつの捉え方があると聞いて、面白いなと思っています。

Anna:あ、そうなんですね。

前田:『ギザギザハートの子守歌』をリスペクトしてるからああいった歌詞になっている、というのと逆の派閥があって。

つまりそれは、「うっせぇわ」を聴いて一定分かったふりをしている大人に対する、“アンチテーゼ”という。
50代、60代のチェッカーズが現役で活躍してた頃に聴いてた人は、「あ、知ってるよ、これチェッカーズだろ?」っていって、分かったふりしたり、マウントとったりする大人をせせら笑う歌詞。

「そういう大人うざいよね」という罠を仕掛けてる(笑)
「ちっちゃな頃から悪ガキで」のくだりは罠だと。

Anna:そこに入ってるんだ。

前田:そうそう、「あなたが思ってるより健康です」とか、社会に対するスタンスが最高だなと僕は思います。これに共感する人が多いということなんだと思う。社会へのレジスタンスをどう表現するかって、時代や音楽ジャンルによっても全然違うけど、あなたが思うより健康ですっていう言葉でおせっかいを跳ね除けるって、凄まじい天才的センスですよね。

Anna:それでチェッカーズを聴いてた世代の人たちも、Adoちゃんの曲聞くし、みたいなのができるのかな?

前田:僕も最初はそっちの反応で。「小さい頃から悪ガキで」って聴いたときAdoちゃん19と若いのに、チェッカーズを知っていて嬉しいなって。でも深く考えるともっと別の見方もできて、本当に音楽って楽しい。

Anna:面白いですよね、そういうの考えて曲作ったりするのも楽しいし、みんなの反応が楽しいですよね。

トータル力で勝負するよりも、“一点突破”でブレイクを掴む

前田:Annaさんは、これから音楽の活動でたくさんの人に聴いてもらう為に、どんなプランや戦略でやっていこうと思ってるんですか?

Anna:コロナで厳しかったんですけど、やっぱりライブで感動してもらいたい。例えば、ライブを見に来てくれた人が、「凄いの見ちゃった」みたいな口コミで大切な人を呼んでくれたり。もっと与えていきたいのですが、コロナでライブハウスに来てもらうことも大変ですけど、それでも来たいと思ってもらえるライブをやっていきたいですね。

前田:そうだよね。今度必ずライブ行きますね!

Anna:来年の7月29日に渋谷のプレジャープレジャーホールが決まっていて。350人キャパなので、そこを満杯にして次のステップに行きたいですね。前田社長に見てもらえたら嬉しい。

前田:ライブをやってファンを増やしていくっていう考え方は、ファンとの絆や思い出を紡ぐ上で基本ですし本当に大事ですね。このままコロナが落ち着いてくれば、きっとそれは叶うと思う。Annaさんは、ライブで感動させて口コミで広まる為には何が必要だと感じてますか?

Anna:総合力がすごい大事だと思っていて。歌の技術を磨くっていうのは、もちろんやり続けるんですけど。他にも、見た目、演出、曲の構成、楽曲とトータルなんですよ。

前田:確かにすごい分かる、僕も結構完璧主義だから、トータル力とつい考えちゃうなー。
でも、得意や強みを、“一点突破で伸ばす”というやり方もあるとも思います。もちろん総合力で勝つという視点は絶対に捨てちゃだめで、そこは意識高く努力続けて欲しいんですが、「自分の武器はこれだ」というのは、認識して、高めて欲しい。

Anna:うんうん。自分の中で一点突破を選ぶとしたら、いい曲を書きたい。

前田:例えば、バンドというジャンルに有象無象のライバルがいる中でゴールデンボンバーがとった戦略は、「演出に特化する」、という作戦だったわけですよね。最初は、発泡スチロールでドラムやって、ギターも弾かない。だけど、人気がでて動員が増えるとメンバーが楽器を弾きたいってなって。それでも、『絶対に弾かせない』。なぜなら、演奏をしないエアーバンド、という“一点突破”の特徴で行くと決めたから。あのクオリティで振り切ってやってるエアーバンドって当時いなかったから人気になって、今のポジションを確立できたんでしょうね。戦において弱者がどう勝つかという法則をまとめたランチェスター戦略というのも学んでみると面白いですよ。

総合力は、大事だと思うけど時間がめちゃくちゃかかる可能性がある。僕だったら、一個を決めて、やりきる。誰が聴いても感動するような、いい曲を作るのかな。いま、これは自信ありますって曲はありますか?

Anna:自信あります(笑)。自分の曲は。

前田:おお!流してほしい、聴きたい!

Anna:アルバムを持って来ればよかった。。シンプルにしてるのでコードも結構考えていて。
最近のサンクチュアリって曲を流しますね。

前田:おぉ。サビがバラードロックみたいで、心地よいですね。

Anna:とても嬉しいです。ありがとうございます。

前田:いいね。でもAnnaちゃんの声にハマる曲がもっとありそう。この曲もハマってるとは思うんだけど。こういう名曲をたくさん作っていって、“ライブで伝説を作る”ということですね。いい曲ができた際は、是非教えてください。

Anna:さっそくアルバムを送らせていただきます!

前田:音楽の方向性はわかりました。僕もこんな歌をAnnaちゃんの声で歌ったらいいんじゃないかなって曲を見つけたらいいますね。いろんなアーティストとコラボしてもいいかも。最終的には、多くの人の心を動かすような名曲を作ってほしい。これからの成長を楽しみにしています!

※撮影・収録時のみマスクを外しております。

編集より

前田さんがAnnaさんに伝授していた、“一点突破の法則”は、音楽だけじゃなくて様々な分野でも汎用できる話だなと思いました。明日から、実行できる行動ですよね。音楽を愛する2人だからこその対談は、今の音楽界の流れや色んな角度から楽曲を理解することの重要さも教えられました。まだまだ話し足りない前田さんの様子がとても印象的でした。今後のAnnaさんのアーティスト活動が更に楽しみになりました。


【プロフィール】

【Anna】

2016.05.〜活動開始、毎月池袋フィールド出演中
2018.11.東京ビッグサイト出演

2019年
・08.TGC BEACH出演
・08.渋谷プレジャープレジャー/ワンマンライブ
・08. 1stミニアルバム「sola」発表
・12.品川インターシティーホール出演

2020年
・08. 過去ベストアルバム「Esquisse」 発表
・12.SHOWROOMアワード優秀賞受賞

2021年
・02.渋谷プレジャープレジャー/ワンマンライブ無観客配信で開催
・04.Veats渋谷 楠瀬拓哉バースデーイベント出演
・04. 2ndフルアルバム「Sanctuary」発表
・05.SHOWROOM初代最優秀アンバサダー受賞
・09.SHOWROOM2代目最優秀アンバサダー受賞
・10.Zepp Tokyo出演

2021.11.27.神戸コレクション出演決定!
2022.7.29.渋谷プレジャープレジャーワンマンライブ、レコ発予定
SHOWROOM
https://www.showroom-live.com/0dac11119159
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【前田裕二 SHOWROOM株式会社 代表取締役社長】

1987年東京生まれ。2010年に早稲田大学政治経済学部を卒業後、外資系投資銀行に入社。11年からニューヨークに移り、 北米の機関投資家を対象とするエクイティセールス業務に従事。 株式市場において数千億〜兆円規模の資金を運用するファンドに対してアドバイザリーを行う。 その後、0→1の価値創出を志向して起業を検討。事業立ち上げについて、就職活動時に縁があった 株式会社DeNAのファウンダー南場智子氏に相談したことをきっかけに、13年5月、DeNAに入社。同年11月に仮想ライブ空間 「SHOWROOM」を立ち上げる。15年8月に会社分割によりSHOWROOM株式会社設立。 現在は、SHOWROOM株式会社代表取締役社長として、「SHOWROOM」事業、ならびに2020年10月にローンチした バーティカルシアターアプリ「smash.」事業を率いる。 2017年6月には初の著書『人生の勝算』を出版し累計11万部超のベストセラー。 近著の『メモの魔力』は、発売2日で17万部、現在72万部突破(電子版含む)。

 

〈撮影=深水周二郎 / 取材・文=池田鉄平〉

Anna/前田裕二

Anna/前田裕二

池田鉄平

池田鉄平

Jリーグ、国内・外資系のスポーツメーカー勤務を経て、メディア活動に転向。
各ジャンルのトップランカーを取材を行い、様々な媒体で執筆をしている。
音楽一家で育ち、過去にアーティストとしてインディーズデビューも経験。

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https://twitter.com/tetsu1138

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