
SHOWROOMで目覚ましい活躍を見せた演者のインタビュー。今回は、書道家タレントの原愛梨さん。
2歳から続けているという書道を中心に配信で話題となっている。彼女は過去には数々の受賞歴も持つ才能の持ち主だ。
そんな彼女も挫折を経験したことがあるという。その時、支えてくれたもの、夢を諦めなかった理由を聞いてみた。
SHOWROOMでは、熱量や夢に向かうひたむきな配信者がたくさんいる。
もちろん、今回インタビューをした原愛梨さんもそのひとり。
書道をしながらの配信で人気の彼女。明るいキャラクターと、
類まれなる書道の表現力とのギャップも魅力だ。
過去には最年少で文部科学大臣賞を受賞、
日中友好書道大会で日本代表に選ばれるなど、数々の輝かしい実績も持つ。
そんな彼女にもスランプに陥ったこともあるという。
「元気とスタミナが取り柄」という愛梨さんが
立ち直ることができたのは、家族や恩師との“絆”だった。
その絆を作ったのは、間違いなくそれまでの
彼女のひたむきな努力の積み重ねがあったからこそだと思う。
その挫折と乗り越えられた理由をはじめ、
幼き頃からの夢、そしてこれからの夢、書道家タレントとしての
今後の活動についてじっくり聞いてみた。
配信を通じて、少しでもみんなが書道に興味を持ってもらえたら……
本日はよろしくお願い致します。まず始めに、愛梨さんがSHOWROOMで配信を始めたきっかけを教えてください!
よろしくお願いします!SHOWROOM配信では、私がタレントとして活動する上でトーク力を磨きたかったんです。どちらかというと自分が何かボケして、まわりに“ツッコまれる”ことばかりで……。「自分でもツッコミを入れられるくらいにならなきゃ!」と思って始めました。
だいぶ慣れてはきました。最初はコメントが止まってしまった時に、「え、何しゃべったらええんやろ」と焦ったりしていました。でも、配信しているうちに段々しゃべれるようになってきました。
愛梨さんといえば、書道をしながらの配信が話題ですよね!
配信中にノートに文字を書いているんですけど、もう今まででノート6冊はたまりました! リスナーさんの名前を書いたり、リクエストに応えたりしながらその場で書いています。
自分としては本当に真面目に書いてるんですけど……。「その漢字違うよ!」ってリスナーさんにいつも指摘されます。この世に存在しない、新種の漢字作っちゃったりとか(笑)。昔から本当に勉強は苦手で……。授業中はノートもしっかりとってるし、試験勉強もちゃんとするのにテストの結果はいつも赤点なんですよね。
あ、これでも国語の教員免許は持ってるんですよ! しかも高校の。でも、通っていた高校の先生に「免許とったよ!」って報告したら、「頼むからお前だけは教師にならないでくれ!」ってお願いされました。ふふふっ。
(笑)。学校にこんな明るい先生がいたら、すごくいいですけどね!
いやいや……。書道以外のこと質問されても困ってしまうので。実習中もハラハラしてました。「質問されても答えられないから、何も聞かないで~!」って(笑)。
配信していて、辛かったり大変だったことはあります?
ん〜、イベントで49時間配信した時ですかね。24時間までは余裕なんですよ! でも2日目の夕方あたりになると頭が朦朧としてきて、自分でも何を言ってるんだかよくわからなくなってくるんです。リスナーさんには「ごめん! ちょっとトイレ行ってくる!」と言って、配信の途中に冷蔵庫の中に頭を突っ込みに行ったりしてました(笑)。
SHOWROOM を始めてから感じる変化はありましたか?
たまに心ないコメントもありますが、それをスルーできるような対応力は身に付いてきたかもしれないです。あとは、地上波の番組に出られたり、活動の幅が広がりました。
すごく、「明るいキャラクター」という印象ですが、実際はどうなんですか?
ん~、根はすっっごく真面目だと思います。
真面目なのは、なんとなくわかります(笑)。
あ、本当ですか?!すごくちょっとしたことでも気にしてないように見せかけて、内心ではすごく引きずったりしてます。例えばリスナーさんのコメントひとつでも、顔文字とかがないと冷たい印象に見えちゃったりした時に、「これはどういう意味なのかな。冗談なのかな?」とか色々考えちゃったり。気にしいなんですよね。そういう意味では、あらためてアナログの文字っていいなあ、思ったりもします。
デジタルが普及してから、文字を書く機会はうんと減っているので、より魅力的に感じますよね。かえって注目度が高いというか、見直されているような気もするのですが。
その一方で、書道の授業は減っているみたいですね。なので、私がSHOWROOMで配信したりすることで、書道に興味を持ってもらえたら嬉しいです。実際に、「私も書道を始めました!」と言ってくださる方もいらっしゃって、少しでも影響は与えることができているのかなあ、と。
感じたまま、私にしかできない書道を表現をしていきたい。書道は私にとって「線遊び」
愛梨さんは、小さい頃はどんな性格だったんですか?
小さい頃から典型的なやんちゃな子でした。中学校の時、校庭をスコップで掘って、マグマを掘り出そうとしたり(笑)
え、マグマ?!本気で?!
結構本気でした。「絶対マグマあると思う!」って言いながらず~っと掘ってました。
ははは(笑)。すごいですね!
生徒会の副会長やったり、わりと前に出るのは好きでした。
その頃から芸能界に憧れはあったんですか?
はい。小学校5年生の時に「将来の夢」を書く授業があって、その頃すでに「書道が上手なタレントになりたい」って書いてましたね。
テレビ好きだったとか?
昔からベッキーさんが大好きなんですけど、あんなヒマワリみたいな笑顔でみんなを元気にできたらいいな、と思っていて。人の笑顔を見るとすごく幸せになるんです。自分もそんな存在になれたらいいな、というのがきっかけです。
「書道が上手なタレント」を目指していたとのことですが、書道は2歳からずっと続けているんですよね?
姉が先に書道教室に通っていて、真似したくて「私も習いたい!」って言ったらしいです。書道は土日も含めて週3回通っていました。好奇心旺盛な子だったので、書道以外も色々習い事をしていて。ピアノ、水泳、劇団、合唱団にも通っていました。
それだと1週間毎日、習い事ですよね……。めちゃくちゃ忙しい。「友達と遊びたい」とかはなかったんですか?
友達とはお昼休みにガッツリ遊んでいたので、そこまで思わなかったですね。土日の書道教室は5時~17時までいて、12時間練習していました。
12時間……! すごい。
先生が褒めて伸ばすタイプだったんですよ。だから褒めてもらいたくて、たくさん頑張りました。先生の隣を陣取って、何回も見せたり。そのうち文部科学大臣賞をいただいたり、書道大会で日本代表になったり。それで書道は、「一生続けていきたい」と思うようになって。
姉はすごく頭がいいんですけど、頭の血管すべて持ってかれたって感じです(笑)。親もそれをわかっていて、「愛梨は芸術をやれ」と言ってくれてましたね。
なるほど。本当に書道が好きなんですね。
先生に褒められるのが嬉しいというのもありましたが、書道って正解がないので、ゼロから自分で生み出す感じが楽しいんです。
他の書道家さんにはない、愛梨さんの表現方法とか魅力って、ご自身としてはなんだと思いますか?
私の心の中で感じたことをそのまま表したいと思っているので、そういった意味でそれが“私にしかない”表現方法になるんだと思います。例えば風景を見てそこから思い浮かぶ言葉とか、ダンスを見ながらその動きを線にしたら、どんな文字になるかな……とか。“線の遊び”のような感覚で。
失敗したことで筆を3年間持てなかった。そんな私を励ましてくれた2つの教え
今までスランプとかはなかったんですか?
ありました。一時期、書道をやめた時期もあったんです。筆も握れないくらい。
え! 何があったんですか。
高校3年生の夏、全国大会に行ける予選があったんですが、それが高校生活最後の(全国大会に行ける)機会だったんです。朝も夜もたくさん練習をして、学校や教室の先生達からも「絶対に1番とれるよ!」と応援もしてもらって。でも、平安時代の“かな文字”という新しいジャンルに挑戦したのもあって、大会当日はプレッシャーで手が震えてしまい、まったく思うように書けなかったんです。結果も出せなかったし、その日は帰宅してから母に、初めて「書道をやめたい」と泣きながら言いました。そこから3年くらいは筆を持つとどうしても手が震えてしまって。
そこからどうやってまた書けるようになったのですか?
二つきっかけはあるんですが、一つは当時そんな私を見かねて、母がくれた一言です。「“結果”だけじゃなくて、あなたには“経験”がついてきているはずだから大丈夫」と。その言葉で、小さい頃から努力してきたこと自体が、自分の自信になっているはずだと思えるようになったんです。
そうですね。そしてもうひとつが、2歳の頃からずっとお世話になっていた書道の先生が私に伝えてくれた言葉にも救われました。先生がお体の調子が悪く、入院されているのを母から聞いて、お見舞いに行ったんですね。母からは、「先生はもう、愛梨のことはわからないと思うよ。だから怒ったりしないでね」と言われていたんです。先生はその時、もう誰が誰なのか認識をできなくなってしまっていたみたいで。それなのに、私が病室に入った瞬間、「原くん!」と先生が呼びかけてくれて。看護師さんや母もすごく驚いていて。
そして先生が私に向かって、「お金や物は盗まれても、身に着けた技術や腕は誰にも盗まれないんだから、一生磨いていきなさい」と、言ってくださったんです。その出来事がきっかけで、「書道は絶対一生続ける!」と心に決めました。その後、先生は亡くなってしまったのですが、その言葉はずっと胸に残っています。
どちらも素敵な言葉ですね。先生は愛梨さんの人柄や実力もそうですが、努力している姿もよく見ていてくださったんでしょうね。
人生の半分以上は書道の教室で過ごしていたし、先生には「原くんに教室を継いでほしい」と言っていただいたり……。すごく可愛がってくれたんです。
その後、大会に出場して最優秀賞を獲ることができました。
すごいですね!でも、そんな時に支えてくれる方々がたくさんいるというのは、それもまた愛梨さんの才能ですね。でも大学卒業後はまったく関係ない職業に就いたんですよね?
はい、母から「一度は就職しなさい」と言われていて。地元の銀行に就職しました。母も姉も銀行勤務だったので。
就職してみて、どうでしたか?
お客さんと会話するのもとても好きだったし、楽しかったです!「あなたの笑顔を見ていると元気になる」と言っていただいたり。でも、何かしらやらかしてしまうんですよ!職場でのあだ名は「爆弾」でした。
(笑)。お金の計算を間違えるとか……?
そうそう、そうです!
それはまずいですね(笑)。
そうなんです。とてもやりがいはあったのですが、みなさんに迷惑をかけてしまって……。あとお客さんの名前の漢字を読み違えてしまって、そのまま呼んでしまったり……。
どれくらい働いて、辞めてしまったんですか?
1年間は働きました。でもやっぱり、「タレントになりたい」という自分の夢を諦めたくない思いが強かったので会社を辞めました。
辞める時は、不安などはなかったんですか?
いや~、不安の塊でした。タレントとして成功できる人って一握りだし、果たしてなれるかもわからないし。書道を活かすといってもどう活かせばいいのかわからなかったですし……。しばらく悩んではいたんですが、母が「あなたのやりたいことを、後悔しないようにやりなさい」と言って背中を押してくれました。それで今の事務所に入ることができて、その後すぐにSHOWROOMの存在を教えてもらって、配信を始めたんです。
そこからイラストを入れた書道だったり、音楽を書道で表現してみたりと、自分なりのパフォーマンスを考えて、今のスタイルになっていきました。
「イラスト」も愛梨さんが描いたもの
SHOWROOMではたくさんのファンがいると思いますすが、愛梨さんが考えている今後の展望があれば、教えてください。
海外で書道パフォーマンスや個展がしたいです! 一度、シンガポールでパフォーマンス自体はやらせてもらったことはあるんですが、感動して泣いているお客さんもいたりして、とても嬉しかったんです。書道を海外の人にも伝えていきたいです。そして、世界各国からSHOWROOMで生配信もしてみたいですね。
海外からの配信、楽しみですね!「愛梨さんのように活動の場を広げていきたい!」という方もたくさんいると思うのですが、何かアドバイスをいただけますでしょうか。
ぜひ、SHOWROOMを始めてみてほしいです。同じように夢を追いかけている人がたくさんいるので!私もなかなか夢をまわりの人に語ることができなかったんですけど、SHOWROOMを始めてリスナーさん達に夢や自分がやりたいことを言うようになってから、段々とそれが自分の確固たる信念になってきて、口に出すことって大事だなと思うようになりました。
まわりの人に夢を言えなかったのは、なにか理由があったんですか?
まわりを気にしてしまうタイプなので、「何、そんなの目指してんの?」とかバカにされるんじゃないかとか思ってしまって。SHOWROOMを始めてからは、ひとりではなくみんなで一緒に夢を追いかけている感覚なので、それがすごく自分の自信になっていきました。
では、愛梨さんにとってSHOWROOMの存在を一言でいうと?
「扉」かな? 新しい一歩を踏み出すための。扉を開けて切り拓いてから、輝かしい未来が広がっていくんだと思います。
それでは、最後にファンのみなさんにメッセージをお願いします!
SHOWROOMを配信し始めて、私はひとりじゃないと感じることができたし、「こんなにたくさん、応援してくれる人がいる」と思うともっと頑張ることができます。イベントで勝つのもひとりでできることではないので、リスナーさんにはいつも感謝しています! そして夢を追っている方々は、ぜひSHOWROOMで配信を始めてみてほしいです。一歩が踏み出しやすくなるはず。一緒に頑張りましょう!
本日はありがとうございました!
ありがとうございました!
編集部から好きなものに対してとても素直で、努力を惜しまない。
インタビューを通して、そんなひたむきさがひしひしと、伝わって来た。
愛梨さんの今までしてきた積み重ねを聞いていると、「努力は無敵だ」と思う。
そしてちょっと“抜け感”がある言動も魅力だ。書道をさらに極めて、ぜひ海外でも羽ばたいていってほしい。
原愛梨さんがもっとわかる!一問一答
Q.自分を動物に例えると何?
A.ナマケモノ!普段はパッパラパーみたいな感じだけど、ここぞという時には、力を発揮するタイプなので。
Q.もし100万円を自由に使えたら何に使う?A.おじいちゃんが入院しているのでその治療費。
Q.今、行きたい場所はある?A.ニューヨークです。
Q.最近のマイブームは?A.ピアノを縦にして演奏すること。
ギターは持って動けるけど、ピアノは動かせないので、
縦にして弾いて、見て楽しんでもらいたいなと思って。
愛梨さんが所属するバンドのライブ写真
Q.一番好きな食べ物は?A.チキン南蛮です!
甘辛い味が絶妙。
Q.一番嫌いな食べ物は?A.くるみです。
見た目もダメだし、味も苦手です。
Q.苦手なものは?A.足が多い虫。
クモとかムカデとか。
Q.福岡自慢をしてください!A.木工で有名な大川市。
大川市のPRをやってまして、PRしないと!(笑)。音楽も盛んなところです。
Q.睡眠時間は?A.大体3~4時間です。
お休みの日にガッツリ寝ています。
Q.美容で気をつけていることは?A.とにかく保湿!
スチーマーとパックは毎日しています。
Q.今の気持ちを書道で表すならば?A.「扉」と「煌めき」です。
私もまだ扉を開けたばかりで、
その先に煌めきがあると信じている……といった意味です!
〈撮影=米玉利朋子(G.P.FLAG)/取材・文=広瀬蒼乃〉
原愛梨
1993年10月2日生まれ。書道最年少文部科学大臣賞を受賞し、日本代表にも選出。ピアノでは九州大会出場、各地で演奏するなど多彩な才能を武器に、タレント活動を行う。
広瀬蒼乃
出版社でファッション誌や旅系の雑誌編集を経て、フリーランスに。可愛い子探しと、不摂生な生活を送りながらも健康ネタ集めと実践することが好き。昨年より念願の鎌倉暮らしを実現。
現在、SHOWROOMでは新規イベントを募集しています!
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