
SHOWOROOM代表・前田裕二氏が、「夢」をテーマに毎週多彩なゲストを迎え対談をするラジオ番組『SHOWROOM主義』。
SHOWOROOM代表・前田裕二氏が、「夢」をテーマに毎週多彩なゲストを迎え対談をするラジオ番組『SHOWROOM主義』。
(『SHOWROOM主義』はTOKYO FMで毎週土曜日25:30〜26:00放送)
本回のゲストは、元HKT48メンバーであり、現在はモテクリエイターとして活動している “ゆうこす”の愛称で親しまれている菅本裕子さん。
「モテるために生きている」をテーマに、イベントやSNSでのモテ講座やメイク講座などが人気に。そのSNS発信力も注目され、ビジネス界でも話題の人だ。
対談前半では、どうやってファンやSNSフォロワーを増やしていったのか。その秘訣を語ってもらった。
(番組配信日:2017年12月24日)
アイドル時代はファン一人一人を見れていなかった。ファン目線に立って考えるということに気づいたんです
前田裕二(以下前田):今回のゲストはSNSフォロワー数なんと累計80万人以上をほこる、モテクリエイター、ゆうこすこと菅本裕子さんです。
ゆうこす:こんばんは、菅本裕子です、よろしくお願いします~。
前田:よろしくお願いします。あの、そもそもなぜ、“ゆうこす”っていうんでしたっけ?
ゆうこす:え(笑)。名前の“ゆうこ”と、菅本の“す”で、ゆうこすです(笑)。
前田:なるほど(笑)。これすごくいいネーミングですよね。最高にいいと思う。たぶん世の中の「す」で始まる苗字をもっているゆうこさんがめっちゃ悔しがっていると思いますよ。
ゆうこす:「それがあったかー」って(笑)。でも、誰しもが気軽に呼びやすいですよね。
前田:そうそう、ぼくも一回やってみましたもん。「ゆうじま」って(笑)。このリスナーの人は自分の名前の下に苗字一文字目をつけてみて、そのサウンドが心地よかったら、ぜひ自分のあだ名にしてみてくださいね。これ自分で考えたんですか?
ゆうこす:これは高校の同級生がふわっと呼んでくれた中の一つだったんですけど。
前田:え、その高校の同級生って今も話したりするんですか?
ゆうこす:全然連絡とってません(笑)。
前田:どう思ってるんだろうね(笑)。さて、この番組はいろんな人が聴いてくれるんですけど、まさに「ゆうこすみたいになりたい」、「まだ人気はないけどファンを増やしていきたい」、「エンタテインメントの仕事をしていきたい」、「芸能の仕事をしたい」…というような人達も多く聴いてくれていて、そういう方々へのヒントがあるといいなと思って、ぼくから質問させてもらいますね。
ゆうこす:はい!
前田:まずSHOWROOMを2年前(2015年)に配信してもらっていた当時は、ファンが全然いなかったんですよね?
ゆうこす:そうですね。私の成長とか嬉しいこと、悲しいことを一緒に共感してくれて、私のためにお金や時間を使ってくれる…という本当の意味でのファンは本当に少なかったと思います。
前田:なんかイベントやって3人しか集まらなかったとかね。それも2年前?
ゆうこす:はい。初めてのSHOWROOMが2年前(2015年)のクリスマスでした。
前田:すごい、そしてその2年後のクリスマスイブにラジオに来てくれるという(笑)。そこからこの1〜2年近くですごい大躍進ですね。いろんな試行錯誤があったと思うんですけど、そこから今の80万人以上のフォロワーを抱えて好きなことを仕事にできるようになるまでどういうことをやってきたのか、伺いたいんですけど、そのタイミングでSHOWROOMを始めてどういうことを思ったんでしょうか。
ゆうこす:まず一番に自分の中で変わったことは「好きなことでお金をいただける」ということ。それまでは「生きるための仕事」だったんで、とりあえずお金貯めてから好きなことを…と思っていました。でもそれって好きなことに集中できないし、何も挑戦できなかったんです。SHOWROOMのおかげで、もっともっとより好きなことに挑戦できるようになりました。ちゃんと結果として数字でも出るじゃないですか、視聴者の数とか。だからどうやって相手に私の思いが伝わるのかな、とかをすごく考えるようになりましたね、あの頃に。
前田:当時、「OneNote」っていうアプリでお客さんの名前とかSHOWROOMでどんなギフトもらったかとか、キレイに整理されていたじゃないですか。それを知って「この子はすごいな〜」って思っていたんです。そういうことでファンのことをもっとより深く理解してあげて…例えば2回目にきてくれたら「こないだも来てくれたね」とか言っていたり。それって自分がファンの目線になったときそう言ってもらえたら嬉しいと思ってそうしたの?
ゆうこす:はい。もともとは、理由が2つあって。1つ目は、ファンの気持ちになるってことなんですけど。以前はHKT48という大きいアイドルグループにいて、1人1人のファンの気持ちになるってその当時は考えてなかったんですよね。でもSHOWROOMを始めて、SHOWROOMのルームに初めて来てくれた人に、どう瞬時に興味を持ってもらえるだろうか、とか細かい事ばっかりになってきちゃうんですけど、それをすごく考え始めて。「One Note」にひたすら気づいたら書いてました(笑)。この人はこういうのがポイントだ、とか。好きなこととか覚えてもらってるってすごい嬉しいじゃないですか。
前田:それまではファンの幸せを考えるのがある種自分の責任じゃなくてグループの責任、運営の責任って思っていたのが、自分事に変わったんでしょうね、きっと。自分がファンを幸せにしなきゃいけないんだっていう。主語がグループじゃなくて、“私”になったっていうのが大きな変化だったんでしょうね。
ゆうこす:そうですね。2つ目は、私がSHOWROOMを始めた頃はまだアイドルグループがそんなに参加してなかった時期だったんですよね。私が始めて数か月後にスタートで。
前田:そう!
ゆうこす:だから始めたときは、私の武器って当時「元アイドル」しかなくて。その時言われたのは「元アイドルの人がネット配信してるって、落ちたな」って言われたんです。でもだからこそ、それってラッキーじゃんって思って。元アイドルの人が1人1人にお手紙送ってたら、それってバリバリ強くない?て思っちゃって。ずるいですけど、価値めっちゃ高いじゃないですか。落ちたなって思われてもいいから、1人1人と向き合ってやってました。
前田:うん、すごいねそれ。いつも「偶像から身近に」って言ってるんですが、本来触れられない、遠い存在だった人が近くに降りてきてくれると、そこに価値を感じて、エンゲージメントというかファンの熱量が産まれたりするんですね。まさにそれを自分で体験を通して実感したってことですよね。すごいと思います。
ゆうこす:それで「モテるために生きてる」っていう、賛否両論ありそうな言葉をバンって出してインスタを始めるんですけど。その時、インスタとツイッターも1からスタートしようという気持ちでまた再スタートを切りました。
前田:リブランディングしたということですね。
インスタグラムは雑誌。自分は編集長。密度の濃い投稿で自分の想いや世界観を伝えたい
前田:もともと、ファンのコミュニティは男性がメインで、それを「モテるために生きている」って言葉を使って女性向けに切り替えていくことをやったわけですが。最初からいきなりファンがつき始めたんですか?
ゆうこす:増えては停滞し、また伸びて、またフラットに…という感じでしたね。
前田:「うまくいったな」と思ったことは? 「この時にファン増えたな」というようなきっかけはありますか?
ゆうこす:インスタグラムを始めたばかりの時は、ある程度フォロワーは増えたんです。それはツイッターで煽っていたからというのもあるんですが。でもフォロワー数が2、3万人ぐらいで一瞬伸び率が減るんですね。その時に思ったのが、これ以上伸ばすとなると…もちろん地道な努力も必要だけど、「もっともっと」ってなったら、フォロワーの人達に広めてもらえばいいのかなと。
2万人が2人に「フォローして」って言ったら4万になるってことで、その4万人があと2人に広めてくれたら8万人じゃないですか(笑)。という風に思ったので、“タグ付けキャンペーン”をやったんです。
インスタって、タグ付けしてもらったら、自分のタグ付け一覧から見えるじゃないですか。あれって芸能人やフォロワー多い人は、しょうがないと思うんですが全部に“いいね!”やコメントはなかなかできない。でも私は「全部やったろ!」と思って。その時期は仕事も全然なかったし、その想いをブログにめちゃくちゃ熱く書いたんです。
「タグ付けしてもらった投稿には全部コメントしにいくよ!」って。「あなたが好きなゆうこす、フリー素材なんで自分の思うように加工してもらってもいいですよ」と言って。
そうするとファン達のまわりには友人や家族・親戚含めて最悪50人ぐらいはいるとするじゃないですか。それで50人に知らせてくれて(笑)。また50人フォローしてくれる人が、やっぱり熱いのでやってくれて…と。それ始めたらグーって伸びましたね。
前田:なるほど。これはすごい。現代の、分散型ファンベース拡大構造を理解しているし、何より、再現性がある。
ゆうこす:「広めたい」と思ってほしいので、言葉にはすごい気を遣いましたね。当時インスタは写真のメディアだから、写真+おしゃれな「#TODAY」とか「#ootd」みたいな感じだったんだけど、そこに私はおぞましい量の文章を書き(笑)。なんかSNSで生きていくってなったらやっぱり“言葉”が大事だなって思ったんです。言葉に想いを込めるっていうか…そういう風にしました。
前田:インスタって画像が中心のSNSなのに、あえて言葉にこだわったんですね。差別化というか、他の人はそうしてなかったからってことですか?
ゆうこす:それもあるし、写真てパッて一目で見て、この写真はいい、よくない、可愛い、可愛くないとか判断しちゃうじゃないですか。その中でじっくりと見てもらいたい。私の場合は、やっぱり文章と写真で1つのセットで想いが込もっているポストを見てるな、と思ったんですよね。
それはとあるコスメのブランドの使い方を細かく書いてて、それをじっと見てた時にそれに気づいて。「あ、私これずっと見てるし、長い時間見てるから、私もそうやって長く書くことで想いを込めよう」って。そうするとわざわざ見に来る意味もできるし、私、“インスタは雑誌”と思ってるんですけど、その雑誌の編集長になれるかもって!
前田:「インスタグラムは雑誌である」ってなんかの標語になりそうだな。
ゆうこす:はい。『SNSで夢を叶える〜』(ゆうこすさんの著書)にちょっと書いたんですが、雑誌の編集長には誰でもなれると思ってて。インスタって自己ブランディングを一番しやすい場所だと思ったんです。文字もいっぱいかけるし写真もたくさん載せられるし、ストーリーで動画も配信できるし。自分は編集長だと思ったら世界観にもこだわるようになりました。例えば、最近ずっと美容が続いてたからファッションいくか、とか。写真全体のレイアウトとか、すごいこだわりやすくなりました。本を買ってくれているみんなの声とかをかき集めなきゃないけないな、とか(笑)。「これって編集長やー!」って思ってましたね。今も思ってます。
前田:面白い。そうですよね。今のゆうこすさんと、これからインスタを雑誌として、編集長として発信していこうという人の大きな違いは、10人ぐらいしか買わない雑誌の編集長と30万人買ってくれる雑誌の編集長のような違いがあると思うんです。「10人ぐらいしか読者いないんです」っていう編集長が、それを1万、3万、10万人に増やしていきたい時、どうやったらたくさんの人に見てもらえる雑誌に育てていけると思います?
ゆうこす:まず、最近の女の子って知りたいことがあった時、ググるよりインスタで検索したいと思うじゃないですか。口コミや生の声が見れるから。検索した時に、そのワードの人気上位の投稿が9個出てくるんですけど、その中にいかに入って、いかに目立つか、というのがやっぱり重要だなと。そうじゃないとリツイート機能がないから拡散できないし、そこでしか知り得ない。そこでしか目立てないんですよね。
なので私の場合は、例えばコスメが好きな仲間を集めたい時、もちろん情報はアップするんですけど、みんなは写真にコスメだけをアップするんですよね。コスメがキレイに写るようにバラ入れてみたりとか。そこで目立てるように自分の顔を入れてみたり、面白いアングルから撮ってみたりとか、一回つけようと思ったハッシュタグを一回検索してみて、みんながこうアップしているだろうなっていう写真の流れとは逆をいくような投稿をしてみて惹き付けて…。そのワンタップがまず第一ステップなんですけど。
ハッシュタグも、たくさんつけた方がいいと思われがちなんですけど、ハッシュタグってたくさんつけまくったら、一個一個の人気投稿に上がる率が減るんですよね、おそらく。だから絶対いらんやろって思ってハッシュタグは省くようにして…。例えばコーディネートをアップするときは、服のブランドの英語名とカタカナ表記は入れるのはもちろんなんですが、「#ファッション」はデカすぎるし絶対に流れるからいらん!って。みんな絶対入れるんですよね、でも入れてもムダだと思って、入れません。
前田:抽象度低めの、具体的なハッシュタグの方がいいってことですね。確かに「#ファッション」は広すぎて敵が多すぎてすぐ負けちゃうよね。英語の「#fashion」とかにしちゃったらさらに海外も敵ですもんね。
ゆうこす:そうなんです。あとは文章の最後を絶対に疑問形にすること。「みんなどう思う?」とか、「何色がいいと思いました?」とか。みんなそうするとコメントしてくれたり、反応がよくなり人気投稿にあがりやすい。
前田:なるほど。ゆうこすのインスタ講義すごく面白いです。もう少し聞いていたいんですが、時間が足りなくなってきたので最後に、番組のテーマである「夢」について触れてお別れにしたいと思います。みんな、いろんな夢を持っていらっしゃると思うんですよ。芸能人になりたい、起業家になってお金稼ぎたいとか、世の中にもっと影響力を持ちたい…。何でも良いのですが、そういった夢を持ってる方々に向けたメッセージがあれば。
ゆうこす:はい、私が今振り返ると、どうしてこんなに頑張れたんだろうとか思った時に、私は小さい頃から「なんでなんで?」っていう精神が強くて。当たり前のことも世間知らずだったせいで「なんで!?」て疑問に思うことがすごく多かったんです。だからこそ世の中が当たり前と思っていることに疑問を感じて、そこで私が挑戦することで「新しい」って言われることがたくさんあったんですよね。
なので世の中にはまだたくさん、よく考えたら「それって違くない?」みたいなことがあると思っていて。人前に立って目立ちたいとか、好きなことを仕事にしたいっていう人達にとっては、「唯一無二」って大事なことだと思うので、「なんで?」ってことはすごく大切だと思っています。私もそれをもっともっと大事にしていこうと思っているので、上から目線みたいだけど、してみてください(笑)。なんか恥ずかしい! なんやねんってなりそう(笑)。
前田:ほんとにすごい勉強になりました。ありがとうございました。
ゆうこす:ありがとうございました、フフフ。
【後半】「あえてファンコミュニティは作らない」。 “ゆうこす”ならではの夢に近づく自己ブランディングの仕方とは
ゆうこす
1994年5月20日生まれ。モテのために生きている、「モテクリエイター」として活動。タレント、モデルとしても活躍し、20代女性を中心に支持を得る。著書に『モテるために生きている』(ぶんか社)や『SNSで夢を叶える ニートだった私の人生を変えた発信力の育て方』(KADOKAWA)など。
広瀬蒼乃
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